今季6月に投手に転向した中日・根尾昂(22)が、着実に結果を出している。ここまで中継ぎとして11試合に登板し、9回1/3を投げ、防御率は1・93。前回登板の20日のDeNA戦(バンテリン)では、初の「回またぎ」で起用されるなど、現在4試合連続でパーフェクトリリーフを続けている。

 そんな根尾に、昨年まで中日で投手コーチを務めた赤堀元之氏(52)が「やると決めたならやり通すしかない」とゲキを飛ばした。

 昨年までは打撃練習の合間に気分転換にブルペンに入っていたというが、手のマメのせいで投球もままならなかった。野手として伸び悩んだ姿を間近で見てきただけに、赤堀氏は「投手をするなら最初からやっていればよかったし、やっていればもう出てきていたかもしれない。今までがちょっとムダだったかな…。投手から野手転向はあってもその逆はなかなかない」と、もっと早く決断できなかったかと述懐する。

 今後は「打てる投手」としてまだ打撃を生かすこともできるが「打てないから転向しているんで、投手になったからと言って打てるようになるわけではない。相手バッテリーも他の投手の打席より警戒するので逆に打つのは難しくなる」と、打撃への未練を断ったほうがいいという。

 それでも「高校時代から投手の才能は元々あった。続けていけば野手投げも変わってくる。器用なタイプなんで投手としてのキャンプを1からやれば、できるようになるかもしれない。大学4年生と考えればギリいけるし、素材はいい。頑固なところがあるので聞く耳を持ち、自分でアレンジしてやっていくことが一番」と期待を込めた。

 遠回りはしたが、その才能は開花しつつある。ここからさらなる飛躍につなげられるか。