阪神が23日の広島戦(マツダ)に延長12回、3―3で引き分け。順位は5位に後退した。試合後、矢野燿大監督(53)は「負けて帰るのと引き分けでは全然違うので…」と、4時間52分の死闘を前向きに振り返ったが、数字の上でも逆転Vは、かなり厳しい状況に追い込まれてきている。

 残り72試合で貯金23の首位・ヤクルトと借金7の自軍は、この日を終えて15ゲーム差。「もう大きな連敗だけは…」と話すチーム関係者も、さすがにその表情は険しい。

 首位を走りながらシーズンの最後の最後にヤクルトに追い抜かれた昨季、ヤクルト関係者が「あの3連戦がターニングポイント。それまでやられっぱなしだったが、勢いとか、流れが変わった」と振り返ったのが、7月2週目、6~8日に行われた神宮での対阪神3連戦。当時の阪神は貯金16の首位でヤクルトは貯金9の3位、5ゲーム差だった。今季も昨季と同時期の7月2週目(8~10日)にこの「燕虎決戦」が組まれているが…。そこまでに少しでもゲーム差を縮め、流れを変えることはできるのか。

 交流戦明けにベテラン・糸井が「去年と真逆のことをしたい」とチームを鼓舞したように当然、まだあきらめる時期ではない。シーズン終盤で高津ヤクルトに昨季の〝お返し〟を果たすためにも、あとはひたすら、ムチを打ち続けるしかない。