巨人・原辰徳監督(63)が11日、左翼守備に不安を抱えるアダム・ウォーカー外野手(30)を高く評価した。

 推定年俸3400万円の新助っ人は規定打席にこそ到達していないものの、出場した34試合で打率2割8分7厘、7本塁打、17打点の成績。スタメンの常連となり、今やクリーンアップを任せられる機会も増えている。一方でネックとなっているのが左翼守備だ。評論家諸氏などから手厳しい指摘が飛び交っているが、現場トップを預かる原監督が重きを置いたのは、開幕からここまでにウォーカーがみせた成長ぶりだった。

「フィールディングなんかも毎日よく(練習しているし)、昨日(10日)なんか見事なフィールディングだったね。セーフにはなったけれどもね」

 10日のDeNA戦(新潟)は初回無死満塁のピンチで、浅めのフライを捕球してバックホーム。アウトにすることはできなかったが、送球面での改善は見られた。来日当初は力を入れるとボールを叩きつけてしまうケースも目立ったが、本塁への送球はワンバウンドで捕手のミットに収まった。

 もちろん、プロの平均的なレベルかどうかどうかには疑問も残るが、試合前には亀井外野守備兼走塁コーチからマンツーマン指導を受け、熱心に練習に取り組んでいる。指揮官もそうした姿に「ああやって人事を尽くして(天命を待つ)という形を見ているとね。いつか神様もほほ笑むと思うよ」とさらなる成長を期待した。

 打力でウォーカーを上回る外野手が見当たらないのも事実。昨季、レギュラーに定着した松原も不振ですでに二軍落ちした。ただでさえ坂本と吉川を欠く打線は得点力不足に陥っており、ウォーカーの守備力を差し引いても外す選択肢はなさそうだ。首脳陣もリスクは百も承知だろうが、経験を積ませながら前へ進んでいく。