“盗塁王”阪神・中野を激変させた筒井コーチの一言と「80センチ」のリード

2021年11月24日 05時00分

ルーキーながら盗塁王に輝いた阪神・中野(東スポWeb)
ルーキーながら盗塁王に輝いた阪神・中野(東スポWeb)

 こんだけ帰塁がうまいんだから――。阪神・筒井壮外野守備走塁コーチ(47)の一言が、アマレベルでも盗塁とはさほど縁のなかった中野拓夢内野手(25)を大きく変えた。

 春先に度々盗塁を企図しながら失敗を繰り返してきたドラ6ルーキーの「初速の早さと反応の良さ」に着目した筒井コーチは「リードをあと一歩、80センチ広げるよう」中野にアドバイス。「こんだけ帰塁がうまいのに、あのリードならもったいない。単純に二塁ベースまでの距離が縮まれば(盗塁も)成功しやすくなると思い、一度思い切って(リードの)距離を広げさせたら、うまいこといったんです。そうなってきたら(中野)本人も自信を持って対応できるようになり、盗塁の数もどんどん増えていった。アドバイスをした時期は、彼がレギュラーに定着する少し前でしたかね」(筒井コーチ)。

 昨季の盗塁王・近本を抑え、今季セ最多の30盗塁をマークした中野も「筒井コーチに言われて『そうなんだ』と。リード幅が大きくても『帰塁ができるんだぞ』という自信を持ちながらやることができた」と振り返る。「アマチュア時代にはスタートを切る勇気がなかった。でも、プロに入って、自信を持ってスタートを切ることができるようになりました。勇気っていうのが一番大事なんだなと思いました」

 80センチ伸ばしたリードが盗塁王のタイトルにまでつながった。「アマチュア野球は外野守備や走塁ってあんまり教えにいかない、というかコミットしない。どうしても打つこと、(投手が)投げること、内野守備なんかに(指導の焦点が)いってしまうんですね。中野は本人の努力がかみ合った結果」(筒井コーチ)。プロフェッショナルの外野守備走塁コーチが、一つの〝才能〟を発見し、育て、美しく開花させた。

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