DeNA・牧秀悟 頼もしすぎて愛称「おっさん」…思い出す「とっつぁん」と呼ばれた4番打者

2021年08月31日 06時15分

次々と球団のルーキー記録を塗り替えているDeNA・牧
次々と球団のルーキー記録を塗り替えているDeNA・牧

【赤坂英一 赤ペン!!】近ごろ大活躍中のDeNAドラフト2位新人・牧秀悟、チーム内で秘かに「おっさん」「おっさん牧」と呼ばれているそうだ。ルーキーらしからぬニックネームだなと思ったら「いいところでよく打ってるからか、雰囲気が妙にベテランっぽいんだよ」とは、球団関係者の証言である。

 最近、牧の打棒が新人離れしているのは確か。25日に新人で球史初のサイクル安打を達成。27日に球団史上12度目となった3連続本塁打の3連発目を放ち、これも新人としては球団初。28日には21二塁打をマークし、中大の先輩でもある桑田武が持つ球団記録を62年ぶりに更新した。

「新人の時しかできない記録ですから、どんどん塗り替えていきたい」

 そう意気軒高に語る牧について「本当にルーキーっぽくない」と三浦監督はこう話している。

「グラウンドでプレーを見ても、世間話をしてても、ルーキーであることを忘れるというか、ルーキーですよと言われて、ああ、そうだったな、と思うぐらい。次々に歴史を塗り替えてきてるし、すごい選手ですよね」

 それほど指揮官を感心させるだけあって、牧は発言でも新人らしからぬ頼もしさを感じさせる。

 例えば自らの逆転適時打で1点差勝ちすると「こういう僅差の試合を勝てたのが大きいです。今後も続けていきたい」とチームリーダーのようなコメント(6月1日)。ダメ押しの3ラン本塁打を放った時は「チャンスですから、後ろに(つなごう)とは思わず、自分で決めてやろうと思ってました」(今月21日)。

 6月には腰の張りで約1か月、欠場やスタメン落ちが続いたが「その間にもう一度自分の打撃をチェックしてしっかり修正できた」。そんな牧に、球団内では「新人王も狙える」という期待も高まりつつある。阪神・佐藤輝、広島・栗林の成績しだいだが、牧が今の調子で追い上げれば逆転で新人王獲得もあり得ない話ではない。

 田代巡回打撃コーチは以前から「直すところはない。コンディションにだけ気をつけていればいい」と指摘。現在15本の本塁打数をどこまで伸ばせるかという期待もかかるが「(意識が)変に上を向かないことが大事」だそうである。

 ちなみに、牧が「おっさん」と呼ばれていると聞き、私が思い出したのが「とっつぁん」の愛称で親しまれた高木由一。田代コーチと同じ1970~80年代の主力で4番を打ったこともある。牧にも将来はそれぐらいの力をつけてほしい。


 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」「プロ野球第二の人生」(講談社)などノンフィクション作品電子書籍版が好評発売中。「失われた甲子園 記憶をなくしたエースと1989年の球児たち」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。ほかに「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。日本文藝家協会会員。  

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