おじいちゃん、自慢の孫がかわい過ぎて…。阪神・佐藤輝明内野手(22)は祖父母が暮らす宮城での楽天3連戦(楽天生命パーク)で、2戦目に今季16号を放つなどの活躍を見せた。その一方で、佐藤家の人々にとってもメモリアルとなった今回の仙台遠征では、何ともほのぼのした光景も見られた。

 カード最終戦(13日)は内野席の最前列での観戦となった祖父・勲さんらは、試合前練習から孫の雄姿に熱視線。一塁ベンチから佐藤輝がバットを持って出てくると、勲さんがおもむろに立ち上がり、ネット近くにいた孫の元へ。何事かを語り掛けながら取り出したのは〝お小遣い〟とみられる茶色の封筒。バックネット越しから「ほれっ!」と差し出そうとした勲さんに、佐藤輝は「いいって、おじいちゃん、それはいいって!」と、恥ずかしそうに右手で制し、笑顔で〝気持ちだけ〟受け取った。

 北川打撃コーチやナインは、佐藤輝に「オマエのおじいちゃん、かわいいな」とほほ笑ましい光景に笑顔。球団関係者からは「オマエが渡さなあかんやろ?」と突っ込まれ「そうです、僕が渡さないと」と、今や野球を職業に〝稼ぐ〟ようになった孫も苦笑いだった。

 試合では前日12日に続く2試合連続弾も見られず、連日の〝おじいちゃん孝行〟とはいかなかったが、チームは前カードに続く同一カード3連勝。試合後、ロッカーへ引き返す前にベンチを飛び出した佐藤輝は、勲さんらが陣取った内野席へ向けて両手を目いっぱい振り、お別れの〝あいさつ〟をしていた。