今季限りで阪神を戦力外になった高野圭佑投手(28)が15日、ユーチューブのチャンネルを開設。7日に行われた12球団合同トライアウトで、新庄剛志氏(48)と対戦した際の舞台裏を明かした。

 野球ファンの注目を一身に集めた新庄氏と、第2打席で対峙することになった高野は「ルーティンを終え、打席に入った新庄さんと目が合って、その瞬間『絶対にストレートで押していこう。得意な球を新庄さんに投げ込みたい』という気持ちになった」と明かす。

 力勝負を選択した高野だったが、力みもありこの打席は新庄氏を四球で歩かせる結果に。対戦を終え、ベンチで新庄氏に「対戦ありがとうございました。四球を出してしまい、すいませんでした」と声をかけたところ「いいボールだったよ。気合の入った目をしてたね」と言われたという。

 その後、高野は改めて新庄氏から「打席で俺と目が合ったじゃん。あの時に全球ストレート投げようと思ったの?」と聞かれたとのこと。心理状況を完全に読まれていたと知り驚いた高野は「なんで(分かったん)ですか?」と問い返したが、新庄氏は無言のまま笑顔で親指を立て、グラウンドへ走り去っていったという。

 18・44メートルの距離を隔て、互いの全てを一球一打にかけた両者。高野の元にプロ野球チームからのオファーは「まだない」そうだが、現役続行の道を模索し続けるとのことだ。