阪神期待のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手(近大=21)が、来春キャンプでさっそく、競争社会の天秤にかけられることになりそうだ。

 チームは即戦力と評判の佐藤輝を、外野手として起用することを検討している。一方、本人はまずは大学時代から慣れ親しんだ三塁手、内野手として勝負したい意向。矢野監督もそんなチャレンジ精神を歓迎し、ひとまずは内・外野両方での適性を見るつもりだが、そこに忖度はない。来春キャンプでの〝内野戦争〟は例年以上にシ烈になりそうだという。

 今季、12球団ワーストの85失策の改善へむけ、今オフに加入の2人がそのレベルを上げている。その2人とは、巨人から金銭トレードで獲得の山本泰寛内野手(27)と、社会人の即戦力新人としてドラフト6位入団した中野拓夢内野手(24=三菱自動車岡崎)だ。

「佐藤輝が内野で一軍に残ろうと思ったら、少なくともこの2人と同等の守備力を見せないと阪神の一軍では控えでも生き残れない」と指摘した球界関係者は、その理由をこう続けた。

「山本なんかは同じタイミングで広島からもトレードの打診があったほど(古巣の)巨人以外からも打つこと以外はすでに一軍レベルと認められている。社会人出身の中野も、同じようにトヨタ自動車から西武に3位入団した源田を連想させる守備の職人。打撃があればもっと早くプロから指名を受けていた。6位で入団するような選手ではない」。他球団の編成関係者やスカウトがマークした2人でもあるためだ。

 実際に24歳の中野は新人ながら、すでにNPBの若手選手には知られた存在で、26歳の木浪や北條など一軍での実績組も「『来たか…』と思っているのは佐藤輝ではなく、中野のほう」(セ球団スカウト)と、危機感を募らせるほどの即戦力ルーキーともっぱらだ。

 佐藤輝が希望する内野で生き残るためには、持ち味の打撃はもちろんのこと、守備でもチーム内ライバルたちをしのぐ猛アピールが必要となりそうだ。