やっぱりダメだった。巨人に一矢を報いたいDeNAはラミレス監督がセットアッパーのパットンに「オープナー」を託す奇策に打って出たが、頼みの助っ人右腕は松原に3ラン、岡本には2ランを浴びるなど2回途中9失点(自責7点)と大炎上。2番手の武藤も4失点し、4―13と大敗した。4連敗で首位巨人とは絶望的な8・5ゲーム差。最大5つあった貯金もすべて食いつぶした。

 貧乏くじを引いた格好のパットンは「リリーフと同じ感覚でブルペンから投球しましたが、思い通りにいかず全体的にボールが高く浮いてしまいました」とコメント。そんな助っ人右腕に対して周囲も「かわいそう」と同情的だ。球界内からは「オープナーとはいえ、今回の先発はロクに準備もできていなかっただろうし、いくらなんでも無理があり過ぎ。パットン自身も不満を覚えてしまうのではないか」と心配する声も聞こえてくる。

 パットンは今季が2年契約の最終年。DeNAでの過去3シーズンで162試合に登板している〝ハマのタフネス右腕〟には古巣のカブスやレンジャーズなど複数のメジャー球団も今オフの動向を注視している。「2年前のオフ、パットンはメジャーの数球団から興味を示されていた中で、ベイスターズへの愛着を貫いて残留を決めた。もちろん複数年契約の好条件を得たことも大きかったが、今回のような乱暴な起用をされていたら心が離れ、再び米国でプレーする意思を固める可能性もある」(ア・リーグ球団極東スカウト)

 新助っ人のピープルズもしかり。先発で2連勝しながら中4日での中継ぎ登板を経て、この日は12点リードされた5回からリリーフで連投。前出のスカウトは「ピープルズも1年契約。マイナー経験しかないが条件も現時点ならそれほど高くはなく、日本で自信をつけつつあることでメジャーの複数球団が視線を送っている。外国人枠の関係で来日当初は不遇の扱いだったし、パットンと同じように今回の起用で不満を覚えてしまうかもしれない」と言う。

 ラミレス監督は屈辱的な大敗にも「野球は勝つこともあれば負けることもある」とどこ吹く風。先月に国内FA権を取得した梶谷も含め、指揮官のキテレツ采配は複数の選手の去就に影響を及ぼすかもしれない。