ソフトバンクは14日のオリックス戦(京セラ)に10―3で快勝し、4連勝を飾った。打線が今季最多17安打で初の2ケタ得点を奪って投手陣を強力援護。先発のエース・千賀が116球の熱投で6回2失点とまとめ、復帰後2試合連続で白星をつかんだ。
投打がかみ合っての大勝だったが、試合後に工藤監督はこの日一軍デビューを飾った2年目右腕・板東湧梧投手(24)の起用で〝親心〟を果たせなかったことを詫びた。
「3回投げたらセーブがついたんですがね…すいません」。千賀の後を受けて7回から2番手でマウンドに上がった板東。8回にオリックスの主砲・吉田正にプロ初被弾こそ許したが、それ以外は難なく抑えて2回1安打1失点と実力を証明した。最終回もマウンドに上がれば、デビュー戦でセーブがつくシチュエーションだったが、指揮官は9回のマウンドにルーキーの津森を送った。
この起用について、工藤監督は「知らなかったという言い方をすると語弊があるんですが、ほかにも投げていない投手がいて、ちょっと投げさせたいというのがあった。代えようと思って(ベンチ)裏に行って帰ってくる時に、千賀に『3回投げたらセーブつくんでヒーローになれるんですけど…』と言われて『あ、そうだ』となったんですが…すいません、私のミスです」と苦笑いを浮かべながら舞台裏を明かした。
それでも、今回は指揮官なりのマネジメントで「3回投げてしまうと2、3日投げられなくなるので、できればいい投球をした後は(間を置かずに今後)投げさせたいというのもあった」と説明。板東を貴重な戦力と高く評価した上で、他のリリーフ陣の調整も含めたマネジメントを優先した形で、理解を求めた。
また一人、楽しみな投手が出てきたソフトバンク。故障を抱える主力も多い中で、新戦力の台頭は明るい話題だ。