プロ6年目の広島・塹江(ほりえ)敦哉投手(23)が8日のDeNA戦(マツダスタジアム)でうれしいプロ初勝利を挙げた。

 2―3の8回から2番手で登板し、1イニングを打者3人で無失点に抑え、裏の攻撃で堂林が逆転満塁本塁打を放ったため、白星が転がり込んだ。9回を締めた菊池保も13年目でプロ初セーブだったが、ウイニングボールを譲られ「半分こしましょうか」と笑った。

 試合後の言葉にも実感がこもっていた。「堂林さんのホームランの時は鳥肌が立ちました。6年かかってやっとです」。チームは試合前まで4連敗中。出番は1点ビハインドの展開で巡ってきたが、負けられない試合だった。6年目左腕は「実績のない投手を1点差で使うのは勇気があると思う」と他人事のように話しておどけたが、一方で「佐々岡さんや(投手コーチの)沢崎さんには二軍でもお世話になったので、チームのために貢献したいと思っていた」と男気をのぞかせた。

 今年は初めて開幕一軍入り。ファームで体力強化に明け暮れたプロ1年目に二軍投手コーチだった佐々岡監督の期待は大きい。ここまで6試合連続無失点。恩返しはこれからだ。