したたかな計算もあるようだ。DeNAが27日に沖縄・宜野湾で行う春季キャンプの組分けを発表した。一軍の投手メンバー18人の中で注目されるのは、ドラフト2位左腕・坂本裕哉投手(22=立命大)だ。新人ながら同6位・蝦名達夫外野手(22=青森大)とともに一軍へ抜てきされた背景にはラミレス監督が思い描く2つの狙いがある。

 1つは言うまでもなく即戦力候補と目される高い潜在能力だ。関西学生野球連盟に属するリーグ戦で4年春に5勝1敗、51奪三振、防御率0・84の好成績をマーク。MVP、最優秀投手、ベストナインと“3冠”に輝いた。「サウスポーは何人いてもいい」と公言し、球界屈指の左腕王国づくりを目指すラミレス監督も今キャンプで坂本の力量をチェックする考えだ。

 もう1つは同じ立命大の先輩・東の火付け役となること。1年目の2018年に11勝5敗、防御率2・45で新人王に輝いたものの、昨季の東は左ヒジの炎症で出遅れて4勝止まり。今春キャンプも2年連続で二軍スタートとなる3年目左腕に対し、立命大の後輩・坂本の台頭がいい刺激になるとみている。

「坂本にとって立命大2年の時、寮で同部屋だった東は今も憧れの存在。チェンジアップも東から直接教わり、自身の投球スタイルのベースとしている。そんな後輩の坂本が自身の存在を脅かすような立場になれば、必然的に東もシャカリキになる。ラミレス監督はそうした相乗効果をもくろんでいる」(チーム関係者)

 新人・坂本の大暴れと3年目左腕・東の復活で最強左腕ローテを完成させ22年ぶりリーグV、そして日本一へ、立命コンビの活躍が鍵となりそうだ。