中日の契約更改が日米をまたいでの思わぬ騒動に発展している。

 12日の契約交渉でダウン提示を保留した祖父江大輔投手(32)について米大リーグ・カブスのダルビッシュ有投手(33)が中日球団の査定基準を疑問視。一部報道のネット記事を引用し「昨年の現状維持もやばいけど、今年のダウンもかなりやばい。推定やから細かくはわからんけど6年263試合で防御率3・08で2900万て。。評価基準を知りたい。」(原文まま)とツイッターでつぶやいた。さらに動画投稿サイトのユーチューブでも17分間にわたって祖父江を擁護したり、中継ぎの評価に関する持論を主張。このダルビッシュ発言もあってか、SNS上では「中日球団の査定はおかしい」と大騒ぎになった。

 祖父江との交渉にも同席した加藤宏幸球団代表(60)は13日に「ダルビッシュ発言? そんなものは別にいいけどね。俺はツイッターとか全然見ないから」と気にするそぶりも見せなかったが、事態は予想外の方向に転がった。そもそも祖父江の今季年俸が2900万円ではなく4000万円程度であることが判明。球団関係者は「選手が自分の年俸を正直に言わない限りは、あくまで推定なので選手によって誤差が出てしまうのは仕方ないけど、祖父江の年俸は報道よりもかなり開きがあるようだ」と話した。

 これには加藤代表も戸惑いを隠せない。「2900万円という数字がどういう形で出たのか知らないけど、ベースの金額が違うからね。さすがに2900万円からダウン提示することはない。それを信じた人たちからドラゴンズってひどい球団だと思われるのもね…。ただ、本人が(正確な年俸を)言わない以上、こっちからその金額を言うわけにはいかない」と渋い表情を浮かべた。

 その上で、加藤代表は改めて球団としては今後も査定基準を変えないと明言。「ずっと(7年連続)BクラスなんだからAクラスの査定とは全然違う。彼は登板数で言ってくるけど、個人ではなくチーム競技なんだからチームがBクラスより上に行かないと、上がり幅も少ないし、下がるときに下がるのは仕方ない。心情的なものはあるけど、そういう査定になっているんだから。負けてる展開で投げるのと、リードしてるところで投げるのとも評価は違う」と力説する。

 契約更改から一夜明けた祖父江はナゴヤ球場で練習を行ったが、報道陣には何も語ることなく、乗ってきた車を置いたまま球場を後にした。ダルビッシュも参戦しての中日の査定問題はヒートアップするばかりだ。