原監督FA人的補償は敵だ!完全撤廃要求 “巨人は悪”論調「ヘドが出る」

2019年11月05日 16時30分

人的補償への怒りをぶちまけた原監督

 巨人・原辰徳監督(61)が、FA交渉解禁で緊急提言だ。楽天・美馬の獲得に乗り出すことを明言、ロッテ・鈴木大地にも前向きな姿勢を見せるなか、指揮官が「ふざけてるよ。なくす必要がある」と声を荒らげたのは移籍元球団への「人的補償」と28人の「プロテクト枠」。指揮官は“プロテクト漏れ”で広島へ流出した長野の一件で味わった苦悩を振り返りつつ、自由で活発な戦力補強の重要性を訴えた。

 5日にも本格的に始まるFA戦線。原監督は「話そのものは(球団)副代表、社長と、方向という点では話をしている」と含みを持たせながらも、美馬獲得の意向と「(引退した阿部)慎之助の穴を埋めるというのと、選手層を厚くする点で非常に今のジャイアンツには必要な選手」とした鈴木への評価を明らかにした。

 ナインの打撃練習を見つめながら穏やかに報道陣に対応していた指揮官だったが「人的補償をどう思うか」に話が及ぶと、一気にまくし立てた。

「人的補償なんて『敵』でしょ。FAですよ? お金をたくさん払うのに、あれは何のメリットもない。プロテクト28人だよ? ふざけてるよね。これはね、なくす必要がありますよ。そしたら他のチームも参戦すると思う」と、人的補償撤廃によるFA制度の活性化を提言した。

 原監督は先日「FAしたら参加するのがジャイアンツ。そうしないとFAがダメになる」と発言。もちろん自軍の戦力補強が目的ではあるが、一方で率先して手を挙げることで制度そのものを活性化したいという思いもあった。今回はその奥に秘めていた不満が一気に噴出した格好だ。

 訴えたいのは、28人というプロテクト枠の少なさ、そして「人的補償」という“人身御供”的なネガティブイメージが、各球団の腰を重くさせてしまうことで、せっかく選手の獲得した権利が有効に生かされていない、という点にある。

 そして監督として「つらい作業」と漏らしたのは、プロテクトする28人を選出しなければいけないことだった。昨オフ、広島からFA移籍した丸の人的補償で生え抜きのベテラン・長野が“プロテクト漏れ”した件を引き合いに出した原監督はこう語った。

「(外した理由に)『因縁』なんて言葉を使われたんだよな。長野の時はそうだったでしょ。何が因縁だよ。そんなこと誰も思ってない」。戦力補強という前向きな動きが、人的補償によって悪いイメージに変わってしまうことに強い不満を抱いている。「(せめて)投手20、野手20なら話は分かるな」としながらも、人的補償完全撤廃を強く訴えた。

「手を挙げて、お金を出して、その分の補償も…。にもかかわらず、その球団を『悪』みたいに言うやつがいる。よくぞ、ジャイアンツ、手を挙げてくれたと。FAを滅ぼさないで、と言ってくれるくらいならまだ話は分かるよな。それを『ジャイアンツ、悪だ』みたいな論調っていうのも…へどが出る。むしろ参加しない球団を叩くべき。やっぱり人的補償はだめだな」

 最後まで鋭く球界を斬った原監督。セ・リーグDH制導入に次ぐ“球界改革”のきっかけとなるか。

【プロテクト外しが波紋】FA権を行使して他球団に移籍した選手がいる場合、移籍元の球団はその選手の年俸のランクに応じて補償を要求できる。外国人選手を除き、年俸上位1~3位(Aランク)、上位4~10位(Bランク)の場合、旧球団は人的補償に加え、金銭(Aランクは旧年俸の50%、Bランクは同40%)補償を求めることができる。人的補償の対象になるのは外国人選手および獲得球団がプロテクトした28人を除いた選手。フリーエージェント規約では人的補償に指名された選手は移籍を拒否できず、拒否した場合は資格停止選手になると定めている。

 巨人はこれまで長野を含め計13人が人的補償で移籍。その中でも2005年に西武から豊田清を獲得した際の江藤智、18年に西武から炭谷銀仁朗を獲得した際の内海哲也については長野と同様、「なぜ、プロテクトしていなかったのか」と波紋を呼んだ。