今季のア・リーグのMVPレースはメジャー史に残る超ハイレベルな争いだ。8月31日(日本時間1日)、本拠地で行われたヤンキース戦で30号逆転3ランをマークし、メジャーの日本選手で初めて2年連続30本塁打を達成し、大リーグ史上初となる「10勝、30本塁打」の快挙を果たしたエンゼルス・大谷翔平投手(28)の2年連続受賞か。それとも1961年にロジャー・マリス(ヤンキース)がマークしたア・リーグ記録の61本塁打を上回るペースでアーチを量産しているヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)が初の栄冠を手にするか。そこで最後の3連戦を戦った両軍ナインに緊急アンケートを実施。結果は予想通りだったが…。
【ヤンキース側から意外な声】ヤンキースナインは全員「ジャッジ」の回答だ。首位打者2度(16、20年)のラメーヒューは「みんな記録を気にしているけれど記録を超えたからMVPではない。彼は最も価値があるからMVP」と明快だ。
昨季、ロイヤルズでゴールドグラブ賞を初受賞した外野手のベニンテンディは「彼はすでに100打点、100得点で3割打者。あとは自分のチームメートだから、少しひいき目なところはある」と笑った。
捕手のヒガシオカは「やっぱり自分のチームメートを推さないと。毎日、クラブハウスの全員を驚かせていると思う。彼が今年やっていることは本当に素晴らしい」と強調した。救援左腕のルートキーは「彼はうちの一番の選手。彼がいるから一番勝っている。それを毎日見ているんだ」とした。一方、大谷をリスペクトする意見もあった。守護神を務めているホームズは「大谷がやることに慣れたくはない。一つやるだけでも大変なのに200奪三振、100打点はかなりクレージー。感謝することを忘れちゃいけない、彼がやっていることは本当にすごいことだから価値のあることだと思うけど、ジャッジも歴史的なペースを樹立している。とにかく難しい判断」と言葉をかみしめた。ブルージェイズ時代の15年にMVPを受賞したベテランのドナルドソンも「彼はほんとにユニーク。サイ・ヤング賞を取れるほどの投手でありながら最も価値のある選手に選ばれる可能性もある。ジャッジは中堅も右翼もハイレベルの守備をする。ただ、そのジャッジのディフェンスを、大谷がマウンドでやっていることとどう比較していいか分からない」と大谷を高く評価している。メジャーを代表する剛球右腕のコールに、最後に「あなたは翔平が大好きなのに」と聞くと「そうなんだよ! 彼はとてもとてもとてもとてもバリューのある選手。だからとても難しい判断だ」と困惑の表情を浮かべた。
【エンゼルス側は…】エンゼルスも「大谷」一択だ。女房役のスタッシは「決してアーロン・ジャッジから功績を奪おうというわけではない。ヤンキースは彼なしでは今のポジションにいない。これは野球における最高の選手2人の話。ただ、翔平はエースでありながらラインアップの中心を打っていて、これまで貢献してきたものを考えたら翔平の方に投票する」と力を込めた。
救援左腕のループは「難しい質問だけど、二刀流をやる大谷を選ぶ。確かにジャッジは今年特別なシーズンを過ごしているし、歴史的だし、記録を破ってほしいとも思うけど、翔平がエリートレベルで二刀流をできることは真のスペシャル。なんだか既に当然のことと思われてるけど、よく見てみてよ。片方やるだけでも大変なのに、2つをあのレベルでやるって本当に大変だから。インクレディブル」と話した。2年目の先発左腕デトマーズは「彼は打てて、投げればリーグトップファイブの投手。僕にとっては間違いなく翔平がMVP」と断言した。昨年ヤンキースでプレーした好守で何度もピンチを救っている内野手のベラスケスも同意見。「打者だけじゃなくて、投手もやっているんだよ。しかもリーグでトップ5とかでしょう。数字を深く掘り下げたらもっといろんなことが出てくる。連続無失点とか、奪三振数とか。ジャッジがやっていることもすごいけど、今この世に二刀流は1人しかいない。それって価値のあることでしょう」
そんな中、少し変わっていたのは中軸のウォードと大谷と仲の良いフレッチャーだ。ウォードは「自分はWAR(チームの勝利に貢献した指標)が大事な指標だと思っているんだけど…。えっ、翔平の方が低い? そうなると50―50。特にジャッジのチーム貢献度。ジャッジがいなかったら、ヤンキースは今のポジションにいないから。えー、どうしよう。自分は翔平って言いたいのに。困ったな」と本気で頭を抱えていた。フレッチャーは「(優勢と見られるジャッジを逆転するには)今やっていることを続けること、あとはジャッジのホームランがストップするといいなぁって期待することかな」と笑った。いずれにしろ、今季のア・リーグMVP争いは全米記者協会員の投票が締め切られるまで混戦は必至。9月の戦いが勝負を決める。大谷とジャッジのパフォーマンスを最後まで楽しみたい。












