歴史的大敗を重ねるメッツの陰に隠れがちだが、ナ・リーグ東地区でもう1つ深刻な火種が燃えている。
フィリーズが20日(日本時間21日)、敵地リグリー・フィールドでカブスに1―5で敗れ、泥沼の6連敗。戦績は8勝14敗となり、同地区最下位メッツともわずか1ゲーム差まで沈んだ。首位ブレーブスに大きく離される中、開幕前に優勝候補の一角と見られた面影は薄い。優勝候補の看板は、早くも色あせ始めている。
クラブハウスは米スポーツ専門局「ESPN」が伝えるように重苦しい空気に包まれ、壊滅的、崩壊寸前ともささやかれている。
象徴はブライス・ハーパー内野手(33)の試合後のコメントだ。「攻守両面で改善する必要がある」と敗戦後に絞り出した言葉こそが、現状の苦しさをそのまま物語る。ハーパー自身は今季ここまで打率2割7分5厘、4本塁打、11打点、OPS0・882と数字上は最低限の体裁を保っているが、主砲が一人で流れを変えられる段階ではない。カイル・シュワバー外野手(33)、トレイ・ターナー内野手(32)、J・T・リアルミュート捕手(35)ら実績組を並べても、この日は6安打で1得点。打線が線にならず、沈滞ムードばかりが濃くなっている。
先発のアーロン・ノラ投手(32)も4回1/3を5失点で崩れ、今季成績は1勝2敗、防御率5・06。2回にはダンスビー・スワンソン内野手(32)に3ランを浴び、主導権を完全に明け渡した。カブス先発のコリン・レイ投手(35)には6回2/3を1失点に抑え込まれ、反撃の糸口も見えなかった。
昨季まで地区上位争いの常連だったはずのチームは、今やメッツの歴史的大失速を笑えない位置にいる。沈黙を破ったハーパーの言葉は、単なる反省ではない。フィリーズが「まだ4月」と現実逃避できる段階は、もう終わっている。これは主砲のいら立ちではなく、崩れゆく名門から上がった切実な「SOS」そのものだ。












