悲願の「甲子園1勝」は果たせなかった。第104回全国高校野球選手権大会(甲子園)8日目の13日、9年ぶり2度目出場の有田工(佐賀)は第1試合で18年ぶり12度目出場の浜田(島根)に3―5で敗れ、2回戦で涙を飲んだ。佐賀代表は2014年から8大会連続初戦で姿を消した。
初回から連打で好機をつくって幸先良く先制したが、3回に守備の乱れなども絡んで勝ち越しを許した。1点を追う5回二死三塁から4番・角田(2年)の適時内野安打で一時試合を振り出しに戻したものの6回に3連打を浴びるなど3点を奪われ、再びリードされた。7回に1点を返して意地を見せたが、あと一歩及ばず力尽きた。
試合後の梅崎信司監督(43)は「生徒たちはコンディションづくりも難しいなかで、何とか整えて最大限の力を発揮してくれたと思っている。このチームでここまで連れてきてくれた生徒たちにありがとうと言いたい」と部員への感謝の気持ちを口にした。
開幕前に新型コロナウイルスの集団感染と判断されたが、改定した感染拡大予防ガイドラインに基づき試合前72時間以内のPCR検査でチーム全員の陰性が確認され、この日の初戦に臨んだ。選手の入れ替えはなかったとはいえ、8月4日まで10日間にわたって全体練習ができず調整に苦慮した。
それでも選手たちは初出場した今春センバツに続き聖地で躍動した。先発したエース・塚本侑弥(3年)は5失点しながらも8回117球の力投。リードオフマンとして初回先頭から先制点を呼び込む単打で出塁するなど複数安打をマークし、存在感を見せつけた。
8番のスイッチヒッター・山口洸生(3年)はMLB公式サイトでも取り上げられ、話題を呼んだ「1球ごと左右入れ替え打法」を披露した。4回の第2打席、1球目は右、2球目に左へスイッチ。1ボール2ストライクとなった4球目に再び右打席へ立ち、最後は7球目を打って遊ゴロに倒れたが、奇策で聖地スタンドの大観衆をくぎ付けにした。
塚本は8回の守備の際、マウンド上で二塁に就いていた山口洸から「春の甲子園ではあまり(グラウンドの)景色が見えなかったので一緒に見よう」と言われたという。そして「(景色は)最高やった」と振り返った。
試合終了後、審判から「胸を張って佐賀に帰りなさい」と声をかけられた有田工ナイン。惜敗に場内からも大きな拍手が鳴り止まなかった。












