母校の東洋大姫路(兵庫)を19年にわたって率い、3月で退任する藤田明彦監督(65)が甲子園に別れを告げた。第94回選抜高校野球大会第3日(21日)第3試合で高知と対戦し、2―4で惜敗。スタンドから惜しみない拍手が送られる中、藤田監督はスコアボードを目をやり、グラウンドに一礼して引き揚げた。
先発の森(3年)は5回に集中打を浴びて3失点。6回にも失点して苦しい展開となる。「一日でも藤田監督と野球をやりたい」。その思いで8回、相手ミスと3番・賀川(3年)と4番・山根(3年)の連打などで2点を返すが、反撃はあと一歩及ばなかった。
藤田監督は「流れが来なくてこのままいくか、と思ったが、一気に攻めることができた。2点を取ってくれた時はこみ上げるものがあった。特別能力はなくても全力でやっている姿をベンチからうれしく見ていた。ここまで連れてきてくれて選手にありがとうと伝えたい」と選手に感謝の言葉を並べた。
1997年から2006年、2011年から現在までの2期、通算19年にわたって監督を務め、春夏通算5度の甲子園出場。4強入りした08年以来、14年ぶりの選抜出場を果たした。
野球を通じた人間形成を指導の念頭に置いてきた。長い低迷期があっても「負けることで我慢強くなる。負けることで覚えたことはたくさんあると思う。野球はいつまでも続くものじゃない。野球で学んだあきらめない精神を社会につないでいってほしい」と願う。
聖地で花道を飾ることはできなかったが、藤田監督は「毎日ユニホームを着続けてきて、ついに脱ぐ時が来た。母校のユニホームで甲子園で終われることは最高でした。素晴らしい野球人生を送らせてもらった。甲子園は私にとって人生そのもの。夏も出てもらってアルプスで応援したい」と晴れやかな笑顔を見せた。
4月からは履正社(大阪)の監督だった岡田龍生氏(60)がチームを率い、夏へのスタートを切る。












