新天地での“旗揚げ”で抱く夢は――。侍ジャパン女子野球代表の看板選手で、ヤクルトの安打製造機・川端慎吾(34)を兄に持つ川端友紀内野手(32)が、福岡で女子野球クラブチーム「九州ハニーズ」を立ち上げたことを元日に表明した。2009年に発足した女子プロ野球リーグは最終的には所属選手がゼロとなり、昨年末に無期限休止となった。川端が思い描く女子野球界の未来を聞いた。

――今回、九州で新チームを立ち上げた理由は

 川端 最初はまったく場所も決まってませんでした。女子野球連盟の方に相談に乗ってもらった時に、九州で新たにリーグ戦をやりたいという話も聞いて。絞っていった中で決めました。

 ――現状、九州では女子野球チームが少ない。リーグ戦が実現すれば盛り上がっていく

 川端 高校、大学、社会人、クラブチームが参加するリーグ戦を関東では『ヴィーナスリーグ』、関西では『ラッキーリーグ』、中部では『センターリーグ』という形でやっています。最初は参加チームが少なくても、徐々に増えていき『ヴィーナスリーグ』は4部までできています。地元にチームがないため辞めてしまう人もいる。九州は野球熱が高い割には女子野球が広がってません。盛り上がっていくことで競技人口が増えていってくれればと思ってます。

 ――直近では西武、阪神、巨人に女子チームが誕生。女子硬式野球部を持つ高校も大幅に増加し、昨年は甲子園で決勝戦が行われた。その一方で普及に貢献した女子プロ野球リーグがなくなってしまった。今後に向けた課題として感じたことは

 川端 私も1年目から在籍して普及発展に力を入れていく中で、女子野球が広がっていくことを実感しました。そこを長く続けていくという意味では集客の部分でなかなか伸びがなかった中で…。母体が一つだったことで苦しくなってしまったということは感じます。

 ――確かに女子プロ野球リーグは全球団をわかさ生活が1社単独で運営していた。1チームずつが母体となり、競い合いながら協力していくという面では、NPBの参入が始まってきたことは大きそう

 川端 やってみて分かったことが多くあります。女子プロ野球でやってきたことは今後の女子野球界にとってすごく大きな経験だったと思います。無駄にしないように先につながっていけばと思います。もちろん、魅力を伝えていくために、私も含めてレベルアップしていかないといけない。

 ――亡くなられた水島新司さんの漫画「野球狂の詩」ではNPBに女子投手が入団して活躍した。これまでにも二刀流、50代現役選手など、同氏が漫画で描いた選手が後に現実となっている。将来的な夢としてはどうか

 川端 本当に実現したらすごいことだと思う。いつかそういう選手が出てきてほしいという気持ちもありますが、今の私としては女子のプロ野球リーグをもう一度つくることを目標にやれたらと思ってます。トップのリーグがあるからこそ子供たちがそこを目指して野球を続けてくれる。その先にNPBの世界に飛び込むとかになってくると思うので。しっかり環境が整えば、いい選手も出てくる。よく漫画や映画とかでも「球速やパワーだけじゃない」という話も出てくるので、いつか挑戦できる選手が出てくればとは思いますね。
 

<昨年末に無期限活動停止に>日本女子プロ野球機構は昨年12月30日、公式ホームページで「重要なお知らせ」として「11年間にわたり、女子プロ野球を応援してくださった皆さまへ 2021年12月をもって女子プロ野球リーグを無期限休止することとなりました」と発表した。

 新型コロナの影響で無観客で試合を行うなどしていたが、選手の退団に歯止めがかからず、人数的に試合ができない状況にまで陥り、ついには所属選手がゼロに。その一方では西武、阪神、巨人などのプロ野球球団が女子チームを発足させるなど、女子野球を取り巻く環境は変わりつつある。

 日本女子プロ野球機構公式HPでは「これで、私たちの役目は終わったと思います。これからはバトンをお渡しして、私たちは応援する側に回りたいと思います」とも。果たして女子選手たちの新たな“活躍の場”は、どこになるのか…。


 ☆かわばた・ゆき 1989年5月12日生まれ。ヤクルト・川端慎吾の妹で、女子プロ野球で3度の首位打者に輝いた安打製造機。侍ジャパン女子代表のW杯6連覇にも4大会で主力として貢献した。「九州ハニーズ」はソフトバンクにも在籍した宮地克彦氏が監督を務める。29、30日にトライアウトが行われる