大阪桐蔭の西谷監督“全国スカウト”の噂を全面否定

2018年08月21日 11時30分

ナインに声をかける西谷監督(左)

【赤坂英一・赤ペン】「私が全国の(有望な)中学生をみんな知ってるんじゃないか。よくそういう質問を受けるんですけど、絶対にそんなことはありませんから!」

 第100回高校野球選手権の真っ最中、大阪桐蔭の西谷監督が突然、声高に訴えたことがあった。

 優秀な中学生球児のスカウティングにかけては、かねて定評のある西谷監督。甲子園で対戦する高校の選手もほとんど知っているのではないかと聞かれ「知ってるわけがない」と全面否定したのだ。

「何か、私が中学生探しに全国を回っているかのように言われますが、そんなことはないです。自分の生徒たちを教育、指導する仕事があるんだから、全国を飛び回ってる暇はありません」

 しかし、私が別の高校の有力選手を取材していると、監督たちから「彼は西谷さんも狙ってたようです」という声をしばしば耳にしたのも事実。「北海道から沖縄までスカウトに行くらしい」と言う強豪校の監督もいれば、「中学生を獲りに行くのはいいが、地元大阪の周辺だけにしてほしい」とボヤくベテラン監督もいた。

 ただし、この種の話には尾ヒレがつくものだ。現に、今秋のドラフトの目玉、根尾が飛騨高山の中学生だったころ、最初に勧誘に行ったのは慶応高校だった。が、根尾は大阪桐蔭の練習を見学し、自らの意思で進学を決断している。妙な噂をされるのは、あまりに強いがゆえのやっかみでもあろう。

 甲子園での大会期間中、試合のない日は友人や関係者と食事に出る監督も少なくない。そうした中、西谷監督は「酒は一滴も飲んでません」とキッパリ。周囲の誘いをすべて断り、夜は宿舎から一歩も出ずに相手校のデータ分析に時間を費やしていたという。

 強い、強いと言われるが、北大阪大会では準々決勝の金光大阪、準決勝の履正社と、相手先発の予想を外した。甲子園の2回戦も沖学園の先発を読み違え、3回まで無安打に抑えられている。

 10―4で勝ったその沖学園戦の試合後、西谷監督は「データ班の子のおかげ。細かくデータを集めてくれた」と裏方の選手たちを絶賛。常に次の試合に備え、データと首っ引きになっていたからこそだろう。スカウティングにたけた“21世紀の名将”は、いまやプロ顔負けのID野球の推進者でもある。