よほど好きだったのか? ニシキゴイの顔面に取り付いたカエルが発見された。日本のカエル界の2大巨頭も「見たことがない」と舌を巻く怪奇現象。未知の生命体のようなグロテスクな見た目で、無理やり“口淫”を強要したかのような様子に、寒気が走る。いったいこのカエルは何をしていたのか…。

 異常事態が発見されたのは千葉県船橋市の「行田公園」にある日本庭園池だ。こちらでは約10匹のニシキゴイが管理されているが、そのうちの1匹が数日前から見当たらなくなったという。

 毎日のようにコイに餌をやりに来る男性Aさんが心配して、池の隅々まで確認してみると「いつも1~2匹を従えて親分肌の白地にオレンジのボーダー柄のコイが、なぜか仲間と離れた場所で寂しく泳いでいた」。しかも、よく見るとそのコイの顔に黒い謎の生き物がべったり張り付いているではないか。

 Aさんは、人面魚をはじめとするUMA(未確認生物)の取材に慣れている本紙に緊急出動を要請。3月26日、公園側の許可のもと、駆けつけたカメラマンと“コイ救出作戦”を敢行した。陸に上がったコイにくっついていたものを見て、一同はびっくり仰天。1匹のカエルが前足(両手?)でコイの顔面をしっかりつかんでいたのだ。

 コイは息も絶え絶えで元気がない。さらによ~く見ると、その理由は一目瞭然だった。なんとカエルの両手はコイの両目に突き刺さっていたのだ! カエルの下腹部はコイの口に当たる形で、その姿は人間が行う行為のようだ。愛するコイの悲惨な様子にうろたえるAさんが「私はコイは好きだけど、カエルは苦手で…」というので、カメラマンがカエルを引き剥がそうとする。しかし、相当な勢いで抱きついたのか、両手はなかなか取れない。

 なんとか両者を引き離すことに成功したが、無残なのはコイだ。両目玉を潰されて視力を失ったのか、池に戻して餌をやっても全く気づかない。

 そもそもこんなカエルはいるのか。もしかして、未知の生物か? 本紙は専門家に“フェラガエル”の特定を求めた。皮膚の透けたカエル「スケルピョン」を開発した両生類研究の権威・住田正幸広島大教授(63=両生類進化遺伝学)は「現象としては珍しい。私も見たことがない。ヒキガエルのオスですね。関東ですので『アズマヒキガエル』でしょう」と驚きつつもこう解説する。

「奇妙な光景だが、どんなカエルのオスでも繁殖期には相手を選ばず何にでも抱きつく習性がある。だから十分に考えられる。(我慢できなくなったかはわからないが)たまたまコイに抱きついてしまったのだろう」

 この住田教授の解説を「日本一のカエル取り名人」が補足する。13歳から67年間もカエルを取り続け、東京大学をはじめとする全国の大学に実験用カエルを提供する大内一夫さん(80)は「そんなのは見たことないけど、オスのヒキガエルだ」と指摘する。

「メスの上に乗っかったオスは両手でメスの腹を搾るんだ。お尻からベロベロ出てきた卵に精子をかける。繁殖期のオスの親指にはザラザラした『抱きダコ』ができて、カエル同士でも滑らない」

 オスの両手はかなり力強い。コイの目玉に両手を突き入れてもおかしくないという。住田教授は「コイは苦しくてびっくりしたでしょう」とひっくり返るほど驚いたコイに同情する。

 もしかして、カエルはコイに恋をしたのではないか? 大内さんは「どうかな。カエルに感情はあるのかな。だけど、抱きつく行為は『最高』なんじゃないか。カエルに聞いたことはないけどね(笑い)」と語った。

 元気をなくしたコイの一日も早い回復が望まれる。