阪神は25日に甲子園球場の室内練習場で秋季練習を行った。球団初のセ・リーグ連覇を果たしながらクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでDeNAにまさかの4連敗。悪夢の逆転劇を味わった工藤泰成投手(24)が、甲子園に響き渡った「あと1球コール」について〝本音〟を明かした。
忘れもしない17日の第4戦。優勝アドバンテージを含めて1勝3敗と後がない中で迎えた一戦だった。工藤は8回に1点差に追い上げられ、なおも無死一、二塁となった大ピンチから登板し、後続の3人を押さえて見事な火消しに成功。1点リードのままイニングをまたいで9回も続投し、二死二、三塁のピンチを招きながら三森を2球で一気に2ストライクまで追い込んだ。
聖地を埋め尽くした虎党からは「あと1球」の大合唱。しかし、3球目に投じた160キロの直球を捉えられ、2者が生還する逆転打となり、勝利目前から2年連続となる日本シリーズ進出の夢を断たれた。
あまりにも過酷な結末にSNS上では「あと1球コール」への是非を巡る賛否が噴出。「リスペクトがない」「逆にプレッシャーになる」と味方投手への影響を懸念する声が上がる一方、「あと1球だから頑張れという意味」と擁護する意見もあった。
実際にマウンドに立っていた右腕はどう感じていたのか。負ければ敗退が決まる極限の状況だったが、工藤は当時の心境について「(普段と)あまり変わらなかったです」と強心臓ぶりを披露。大歓声が重圧になったかについても「プレッシャーになることもなかったですね」とキッパリ否定した。さらに「プレッシャーはないです。プレッシャーはないですけど、責任感というものは感じますし。そこはしっかり持ってやっていきたいです」と勝負どころを任される投手としての自覚も口にした。
あと1球からの苦い経験を胸に視線はすでに来季へ向いている。「去年よりも投げているのは事実なんで、(このオフは)自分の体と相談しながらやっていきたい」と力を込めた。あの日の悔しさを糧に若き守護神はさらなる飛躍を遂げる。












