ソフトバンクとDeNAによる日本シリーズが繰り広げられる一方、すでに今季の戦いを終えた各球団では来季に向けた体制づくりが進められている。
その中で新たな〝トレンド〟となりつつあるのが、監督経験者が古巣や他球団で監督以外のコーチ職に就くケース。ユニホーム組のトップである監督は「最高位」の位置づけで、監督以外のポストをオファーすることは「失礼」に当たるとされてきた。ただ、近年はその傾向も薄れつつある。
巨人では松井秀喜監督の誕生に伴い、ヘッドコーチは2016年から3年間指揮を執った高橋由伸氏(51)の就任が最有力。また、来季で3年目を迎える岸田護監督率いるオリックスでは、今季途中まで楽天の監督を務めた三木肇氏(49)のヘッド就任が確実視される。このほかにも元監督が役割を変えて、現場復帰する例が増えている。
その背景の一つには、まずは激務となる監督業の負担軽減が挙げられるという。パ・リーグ球団のフロント関係者は「多くの球団がフロント主導で戦力編成を行うようになり、良くも悪くも監督の発言権や裁量は昔よりもなくなりつつある。それでも、現場の勝ち負けの責任を監督が負うのは変わらない。『監督業は孤独』と言われるけど、実際にやった人にしか分からないし、その時々での監督の心境が理解できる人という意味合いもあると思う」と解説する。
さらに、監督が不在となる不測の事態に備えたものでもあるという。新型コロナ禍以降に「感染症特例」ができたように「選手が故障やケガとは別の理由で急にベンチを外れるケースが増えた。でも、その手のものは同じ空間にいれば監督やコーチももらうリスクは同じ。昔は監督が不在になることは、監督が試合で退場になる時だけだったけど、今はもう想定の段階からその限りではない」とみている。
監督も傍らに同じ苦しみや悩みを味わった経験者がいれば頼もしい。かつての非常識も時代の変化とともに、定番化していく可能性もありそうだ。













