栄光の背番号55は誰に――。巨人の新指揮官に松井秀喜氏(52)が就任し、日本中に〝ゴジラフィーバー〟が巻き起こっている。就任会見ではさっそく真新しい90番のユニホームに袖を通したが、現役時代につけた55番の主は不在。チーム内からはさまざまな意見が飛び交っているが、ドラフト1位で強行指名した横浜高・織田翔希投手(18)にも関係していきそうだ。

 就任会見を23日に行った松井監督は、翌24日にはジャイアンツ球場を電撃訪問。精力的な動きを見せる一方で、気になるのが背番号55の行方だ。

 松井監督自身は90番を選んだことに「引退直後の長嶋監督が最初につけた番号」など複数の理由を挙げ「55番をつけてしまうと、私自身も当時を知るジャイアンツファンの皆さまも昔のノスタルジーに引っ張られてしまう」と笑顔で説明していた。

 松井監督が2002年オフにヤンキースに移籍して以降、巨人で55番をつけたのは2人。08年のドラ1で入団した大田泰示(二軍打撃コーチ)が09~13年までつけ、8年間の空白を経て秋広優人(ソフトバンク)が22~25年までつけた。2人とも松井監督の現役時代をほうふつとさせる和製スラッガーへの成長を期待されたが、巨人ではレギュラーに定着できず、いずれもトレードで他球団に移籍した。

 24年ぶりの巨人復帰で松井監督の55番〝復活〟に期待も高まったが、新たな門出に別の番号を選んだとなれば、誰が継承するのかは気になるところだ。

背番号55時代の松井秀喜新監督(2002年)
背番号55時代の松井秀喜新監督(2002年)

 チーム関係者の一人は「オーソドックスに考えれば、来季以降に結果を残した和製大砲に託すべき。岡本(ブルージェイズ)の後継者誕生はチームの悲願でもあるし、もしそういった存在が出てくるなら、55番を与えてもいいのでは」と提案。また、選手の間からは「自分たちが今つけている背番号から55番につけ替えるのは、さすがに荷が重すぎる。将来的に入ってくる4番候補の大物ルーキーにつけてもらうのが一番いいと思う」との意見も上がった。

 ただ、広く浸透している巨人の背番号55のイメージを一新する〝ウルトラC〟ともいえる案もある。

「松井の影響で『55番は左の長距離砲』というイメージが定着しているけど、投手がつけたっていいんじゃないか。これから交渉が本格化していくドラ1の織田君がもし入団するなら55番を背負ってもいいと思う。球団が『世界一の投手へ』と期待するならなおさらだ」(球団OB)

 22日に開かれたドラフト会議で、巨人はすでに日本球界を経ずにメジャーに挑戦する意思を示していた織田を単独指名した。強行指名を受けた織田はドラフト直後、松井監督の就任が発表される前日の段階では考えが変わらないことを明言。だが、松井政権初のドラ1選手への誠意と期待の表れとして、背番号55を提示されればどうなるか…。

 55番は松井監督がつける90年代以前には山田幸造(54~58年)、古賀寅男(59~60年)、篠崎四郎(63~65年)、ケアリー(92年)と4人の投手もつけてきた。歴代15人のうち、淡口憲治(72~73年)や吉村禎章(82~85年=現CBO)ら野手が背負うことが多かったものの、球史に残る変革期を迎えているだけでなく、松井監督自身が新たな流れを生み出しても不思議ではない。

「新たな黄金時代」の構築を目指す松井監督。背番号55の〝後継者〟は待望の生え抜き4番に託されるのか、それとも――。