新監督どころか、打撃部門の立て直しにも〝難題〟が待ち受けているようだ。巨人の来季首脳陣を巡る人事が混迷している。22日のドラフト会議まで3日と迫った19日現在、監督人事に表立った進展はなく、このままでは新監督不在で運命の一日を迎える異例の事態も現実味を帯びてきた。

 後任の最有力候補には元監督の高橋由伸氏が挙がり、川相昌弘ディフェンスチーフコーチ、松井秀喜氏、阿部慎之助前監督らの名前も取り沙汰される。水面下で人選や交渉が進む一方、組閣の全体像は見えない。新監督決定後のコーチ人事も待ったなし。とりわけ焦点は、低迷した打線の再建を託す新打撃コーチだ。

 今季の巨人はセ・リーグ上位3球団で最少の103本塁打、チーム打率2割3分4厘と得点力不足に苦しんだ。阿部前監督の下、橋上秀樹オフェンスチーフコーチに加え、李承燁打撃コーチ、ゼラス・ウィーラー打撃コーチという外国人OB2人を配置する異例の布陣で開幕。阿部前監督の電撃辞任で橋上監督代行の就任が決まると、両コーチが打撃指導の中核を担った。

 ところが、その〝助っ人コーチ体制〟には思わぬ落とし穴があった。当初は意思疎通に苦労し、後半戦には改善が見られたものの、試合中のベンチでは首をかしげたくなる場面も生じたという。チーム関係者の1人が、こう打ち明ける。

「次のイニングで投手に打席が回る、というシチュエーションで橋上監督代行は代打を出すべきかどうかなどを相談しようと思ったが、なぜか打撃コーチが2人ともベンチにいない…ということが何度かあった」

 打順や代打策を巡る判断は、一手で勝敗を左右しかねない。それなのに肝心の相談相手が2人とも見当たらない。前出関係者は「日本とはそれぞれ文化が異なるというのはあるが、さすがの橋上監督代行もその〝自由人ぶり〟に頭を悩ませていた」と舞台裏を明かす。

 李コーチはすでに自ら申し出て退団。新監督が誰になろうと、求められるのは打撃理論だけでなく、ベンチワークも含めた連係の再構築だ。監督人事に加え、打線再生のカギを握る〝参謀選び〟も巨人フロントに重くのしかかる。