ライバルも驚きだ。愛知・名古屋アジア大会競泳男子200メートル平泳ぎ決勝(24日、東京アクアティクスセンター)で、大橋信(枚方SS)が2分4秒83の世界新記録をマークして金メダル。覃海洋(中国)が持つ従来の世界記録(2分5秒48)を塗り替え、全身で喜びを表現した。

 日本の〝お家芸〟で躍動だ。日本勢では2017年の渡辺一平以来、7年ぶりの世界記録。同種目は北島公介が04年アテネ五輪、08年北京五輪で連覇を達成している。自国開催の一戦で最高の輝きを放った17歳のスイマーは「世界記録は私の目標だったので、達成できてとてもうれしい。応援してくれたファンや家族に感謝したい」と声を弾ませた。

 積極的な泳ぎで歴史をつくった大橋は、他選手にも多大な影響を与えていた。銀メダルのデニス・ペトラショフ(キルギス)は「水中で大橋選手が見えたので、近い距離にいることが分かり、プッシュしなければならなかった」と回想。ハイペースで泳ぐ大橋の存在を生かし、表彰台を勝ち取った。銅メダルの調成載(チョ・ソンジェ=韓国)は「平泳ぎには強力なライバルがいた。正直言って、世界記録が生まれるなんて想像もしていなかった」と脱帽だった。

 ただ、今大会はあくまで通過点にすぎない。大橋は「世界記録を達成できてとてもうれしいが、もっとタイムを伸ばせるようにトレーニングを続けていきたい。次の目標は、世界選手権で金メダルを獲得すること」と決意表明。28年ロサンゼルス五輪へ、一歩ずつ階段を駆け上がる。