ドンの後任はくじ引きで選出――。問題続きの福岡県議会で9日、議員辞職した〝福岡県議会のドン〟こと蔵内勇夫前議長の後任議長の選出が行われた。2人の候補者が同数の票で並び、くじ引きで決着。結局、自民党が議長ポストを担うことになったが、前途は多難だ。

 議長選には自民党の大島道人県議と公明党の新開昌彦県議が名乗りを上げた。これまでは最大会派の自民党県議団から議長を出すことが慣例となっていたが、今回は非自民として対抗馬を一本化していた。

 投票の結果、39票で並び、地方自治法や公職選挙法に基づき、くじ引きで大島氏が議長となった。大島氏は「県民の信頼を取り戻す議会改革に取り組む」と意気込みを語っている。

 福岡県議会では、正副議長ポストを巡る〝カツアゲ〟疑惑が浮上。ドンである蔵内氏が議長だけでなく議員辞職するほど追い込まれた。県民の県議会を見る目には厳しいものがある。

 大島氏は金銭授受疑惑の解明を約束。議会改革だけでなく、なれ合いが指摘される県執行部との関係構築も訴えた。また、議長任期中は海外活動はしないと宣言した。

 この海外活動にも批判が集まっている。蔵内氏をはじめ県議らの高額な海外視察もまた問題となっていた。この件では、一部で流出したタイタニックポーズ写真が物議を醸したばかりだ。

 2024年に行われた福岡県議会訪問団のタイ・バンコク視察での写真で、ドンの元秘書・林泰輔県議と豊福るみ子県議が、映画「タイタニック」でおなじみの両手を広げるポーズをしているものだ。映画ではヒロインのケイト・ウィンスレットが両手を広げ、レオナルド・ディカプリオがヒロインの腰に手を添えていた。写真では林氏が豊福氏の腰に手を当てていた。

 さらに、蔵内氏と国民民主党の大田京子県議が同じポーズをする写真も発覚。蔵内氏がディカプリオ役だった。税金で行っている海外視察の写真にしてはふざけすぎているとSNSで批判が巻き起こっている。

 ドンが去り、新しい議長となった福岡県議会はようやく混迷から脱するのか。

 永田町関係者は「地方のドンはどこにでもいる。東京から離れれば離れるほどいる。そういう意味ではどの地方も何かしらの問題を抱えているのではないか。その中でも福岡が複雑だったのは確か。麻生太郎氏、古賀誠氏、武田良太氏、そして蔵内氏といったボス格が多い。ボス級ではなくても存在感のある人はほかにもいる。簡単に一枚岩にはなれない」と指摘した。

 福岡県政は麻生氏、武田氏、蔵内氏による〝福岡三国志〟と称されていたが、蔵内氏がいなくなったことで乱世になったともいえる。一体、どんな形でまとまるのか。