影響力は絶大だ。4日に開幕したバレーボール男子のアジア選手権(福岡・北九州市立総合体育館)は、優勝すれば最短で2028年ロサンゼルス五輪の出場権が獲得できる大一番。世界ランキング6位の日本は1次リーグで開幕2連勝を飾り、好スタートを切った。2試合連続でチーム最多得点を挙げるなど大活躍の高橋藍(25=ルブラン)は、コート内外で破格の存在感を放っている。
高橋は初戦からエンジン全開だ。攻撃陣をけん引するスパイカーは「まずは優勝すること。それが(ロサンゼルス)五輪でメダルを取ることにつながっていくと思っている」。五輪を懸けた戦いの難しさを感じつつ、好プレーを見せている。
高橋は直近2季をSVリーグのサントリーで過ごした。2026~27年からポーランドで武者修行に励むが、日本でプレーした2季で多くの経済効果を生み出した。名城大経済学部の加藤真也教授が指導する山口大経済学部のゼミ生4人とともに、24~25年、25~26年の2季で高橋が日本にもたらした消費増加額と経済効果を分析した。
消費増加額は主に6項目に分けて調査。「チケット売り上げ」はサントリーのホームゲームの平均入場者数約5500人から、高橋の在籍による寄与分を算出し、約3億3400万円となった。
「グッズ売り上げ」は来場者の35%が購入すると仮定して、平均購入額を24~25年は6000円、25~26年は6500円に設定。オンラインでの購入も合算したところ、1億2000万円となった。他にも「チーム、個人へのスポンサー契約」は約2億5500万円、「交通費・飲食費」は約2億5900万円、高橋の加入後に会員数が10倍以上となった「ファンクラブ会費」は約8900万円、「雑誌・書籍費」は約3850万円だ。
消費増加額の合計は約11億7800万円に達したが、商品の生産、原材料費の調達、物流、雇用者所得などへの波及効果を含めると、経済効果の合計額は約20億2940万円にも上る。この数字は24年ネーションズリーグ男子の福岡大会で生まれた経済効果額の約22億円に迫る数字だという。
加藤教授は「チームの結果はもちろん、観客の来場者数増加、グッズ売り上げ、企業の広告活動などにも大きく貢献していた。高橋選手が日本でプレーしたことで、サントリーとSVリーグ全体の経済的価値を高めた事例として位置づけることができる」と評する。リーダーのガメロカオリさんは「スポーツが経済に与える影響力の大きさを実感した」と語った。
アジア選手権は自国開催。人気と実力を兼ね備えたスパイカーが、日本を元気にする。












