J1浦和は天皇杯2回戦(26日、浦和駒場)で、初出場の山梨学院大に3―0で快勝。苦境打開への足がかりをつかんだ一戦を経て、指揮官と守備の柱が今後の戦い方のビジョンを語った。

 リーグ開幕3連敗と苦しい状況の中で迎えたこの日、曺貴裁監督はここまで出番の少なかった選手らを積極的に起用。「今のチームの状況でいうと、PKも含めて勝つことが最大の目標だった。新しい選手が(ピッチに)立ったが、試合に出られなくてもめげずにやっているのを見てきたので、そういう選手が絡んで得点したのはチームにとって何よりも良い栄養」と就任後初勝利をかみしめた。

 曺監督といえば縦に速いアグレッシブなサッカーが代名詞だが、この日は前半に2点を先制して以降、落ち着いてパスをつなぎながら試合をコントロールする場面も目立った。「(以前指揮した)京都や湘南と一緒にしようとは全く思っていない」と明かし、「浦和の選手がもともと持っている、得意としていることを消してまで監督のやりたいことを上塗りするのは本末転倒。そのバランスが良いポイントを見つければ、選手も信用しながら新しいものを作っていけると思う」と持論を展開した。

 この考えには同試合で主将を務めたDF宮本優太も賛同。「監督のスタイルである縦に速い攻撃は武器にしていかないといけない」とした上で、「その中でも個人がしっかり能力を持っているので、タイミングを見ながらいろいろなレパートリーで攻撃できればもっと良くなる」と分析した。

 一方で相手が大学生だったこともあり「Jリーグでどれくらい(ボールを)持てるのかといわれたら、あまり自信にするものではないと思う。一つの方法として頭に入れておくことが大事」と過信には警鐘を鳴らす。

 週末にはリーグ第4節横浜M戦(29日、埼スタ)が控える。フル出場を続けるディフェンスリーダーは「自分たちのスタイルを出しつつ、連戦なのでボールを握ることも大事になってくる。相手の戦術を理解したうえで、しっかりと戦っていきたい」と次なる勝利を見据えた。