日本サッカー界に彗星のごとく現れた〝新ワンダーボーイ〟J1横浜MのMF三井寺眞(16)が、新シーズン開幕から3試合2得点と活躍中だ。16歳の誕生日だった今年4月2日に、プロ契約を締結したばかり。だが早くも主力の風格を漂わせており、J1でどこまで突き抜けていくのか注目を集める。元日本代表FW武田修宏氏(59=本紙評論家)は、日の丸の10番を背負ったレジェンドに例えるとともに、早期のA代表招集も条件を挙げながら期待を寄せた。

 7日の鹿島戦でJ1開幕戦史上最年少(16歳4か月5日)先発を果たすと、先制ゴールを決めた。FW森本貴幸の記録(15歳11か月28日)には及ばないが、MF久保建英の17歳2か月22日の記録を抜き、J1史上2位の年少ゴールで大きなインパクトを残した。

 さらに22日の神戸戦では、決勝点となる今季2点目。実力者のそろう相手からのゴールは価値がある。16歳と思えない鮮烈なパフォーマンスは、早くも見る者をとりこにしている。武田氏もその一人だ。「開幕戦は現地で見させてもらったが、ボールを持った時の仕掛けだったり、シュート時の落ち着きだったり、相手のプレッシャーが来ても慌てない。(得点となった)神戸戦のボレーシュートもすごく落ち着いていた」と絶賛する。

 そのプレーぶりを「俊輔みたいな感じじゃないかな。テクニックもあって、アイデアもある」と元日本代表10番の〝天才レフティー〟中村俊輔氏と重ねるほどだ。

代表の10番を任され、横浜MのOBでもある中村俊輔氏(右=2006年)
代表の10番を任され、横浜MのOBでもある中村俊輔氏(右=2006年)

 今後はマッチアップする一線級の選手から、これまで以上の圧で止めにかかられるのは間違いない。「これから研究されて、マークの強度が増してくるし、1対1でガツンと来られた時にどれだけやれるかだよね。壁にぶち当たることもあると思うけど、それを乗り越えたら、よりパワーアップしていくんじゃないかな」と、さらなる成長を願った。

 代表活動への期待も大きい。Jリーグでコンスタントに結果を残していけば、現在のU-21世代が中心となる2028年ロサンゼルス五輪も〝飛び級〟で視野に入ってくるだろう。その過程でA代表に絡んでもおかしくはない。武田氏は「(30年W杯の)4年後を考えると、日本代表に10代の伸びしろある選手をどんどん入れていくのでは。世界では若い選手がどんどん活躍している」と早い段階でのトップレベル経験を支持する。

 とはいえ、無条件でというわけにはいかないだけに「A代表という意味では、まだ2点しか取っていない。これから毎試合くらい得点を取り続けていくような活躍で、呼ばれてほしいね」。J1で無双していけば、大岩剛監督が率いる次期政権の前に、アジアカップ(来年1月開幕、サウジアラビア)まで続く第3次森保ジャパンでのサプライズ招集も現実味を帯びてくる。

 A代表最年少出場記録は、DF市川大祐の17歳322日(1998年4月)。17歳で招集された久保がデビューした18歳5日(19年6月)は歴代2位だ。16歳の至宝は、日本サッカー界に新たな歴史をつくるのか。