「終戦」ムードが漂っていたニューヨークに、遅すぎる反攻の灯がともり始めた。メッツは19日(日本時間20日)、本拠地シティ・フィールドでパドレスに4―2で勝利。8月3日(同4日)のトレード期限以降は11勝4敗と大きく勝ち越し、5カード中4カードで勝ち越した。ナ・リーグのワイルドカード最終枠まではなお10ゲーム差。ポストシーズン進出は極めて厳しい状況に変わりはないが、13ゲーム差から3つ縮め、崩壊寸前だったチームに確かな光が差している。
この変貌ぶりに、スティーブ・コーエンオーナー(70)も満足げだ。米メディア「ヘビー」は同日、コーエン氏が最近の戦いについて「ちょっとした盛り上がりを生み出している」と語ったと報道。「ワクワクするような要素がたくさんある」とも口にし、若手の成長やチームの粘り強さに手応えを示した。
この日もベンジが4回に先制2ランを放ち、先発マウンドに立ったストックも5回途中までノーヒットに抑え、4回1/3を2安打1失点、6奪三振と粘投した。攻守で日替わりのヒーローが現れる流れを、再編されたブルペンが最後まで支えた。
メッツはトレード期限に救援の主力ベテラン4人を失い、その後は守護神ウィリアムズも負傷。それでも19日は4投手が計3回2/3を無失点でつなぎ、最後は先発から救援へ回った千賀滉大投手(33)が締めた。
千賀は9回に1点を失ったものの、最後は併殺で逃げ切り、クローザー転向後4セーブ目。先発では今季苦しみ続けた右腕が、短いイニングで威力ある速球とフォークを生かし、終盤の切り札として息を吹き返している。
アンディ・グリーン監督代行(49)も「これだけ多くの選手が入れ替わったにもかかわらず、ブルペン陣は素晴らしい働きを見せてくれている」と納得顔。「このチームには粘り強さが感じられる。必死に食らいついて、何とかして野球の試合に勝とうとしている」と評した。
今季中の大逆転劇を期待するには、残された距離はあまりにも大きい。それでも、コーエン氏が見つめているのは目先の順位だけではない。千賀を含む再生した救援陣と若手の台頭が、この苦いシーズンを「ただの失敗」で終わらせない材料になりつつある。メッツの遅すぎる反撃は、来季への助走に変わり始めている。












