国際サッカー連盟(FIFA)が新会社設立の計画を撤回した。ジャンニ・インファンティノ会長が主要国際大会の運営と商業活動を担う新会社を設立し、株式を民間に売却する方針を発表したことに欧州サッカー連盟(UEFA)がW杯不参加を決議するなど反発が強まる中、インファンティノ会長は「計画を進めない」と発表した。

 FIFAはW杯の運営と商業活動を担う評価額200億ドル(約3兆2000億円)の新会社「FIFAフォワード・エンタープライズ」(FFE)を設立し、株式を民間に売却する方針を発表。この計画に非難の声が高まっていた。

 そんな中、インファンティノ会長は計画の中止を決定。自身の公式SNSを更新し「計画は加盟協会および世界中のサッカーをさらに強化するための基盤を築くことを意図したものだった」と釈明し「あらゆる意見に慎重に耳を傾けた結果、このプロジェクトをめぐって生じた対立は当初掲げた目的の実現には、もはや役立たないものであることが明らかになった」と発表した。

 今回の計画をめぐってはFIFA内部でも反発が強まっていた。英「BBC」など各メディアによると、会長の上級顧問だった側近のカルロス・コルデイロ氏は31日に辞任したという。同氏は「FIFAの責任はいかなる犠牲を払ってでも商業的利益を最大化することではない。W杯の株式売却を検討しているのを見過ごすことはできない。断固として反対する」と反旗を翻した。

 さらにFIFAの最高執行責任者(COO)を務めるケビン・ラモール氏は新会社について、インファンティノ会長が秘密裏に進めたとし「欺かれた。会長一人だけの計画。この計画を絶対に進めてはならない」と主張。自身の意向を表明したことで解任される可能性があることに「それで職を失うなら仕方がない。少なくとも今夜はよく眠れる」と語った。

 こうした事態を受けてインファンティノ会長も計画を撤回せざる得なくなったわけだが、不満がくすぶる中で会長の孤立化は避けられない見通し。来年3月のFIFA会長選挙を前に混乱は収まりそうにない。