森保ジャパンは、優勝を目標に掲げた北中米W杯で32強止まりに終わった。6月29日(日本時間同30日、米国・ヒューストン)の決勝トーナメント(T)1回戦でブラジルに1―2と敗れ、日本代表が宣言した野望はついえた。要因はさまざまだが、指揮官の選手起用にも着目しなければならない。1次リーグで特定の選手に負担がかかってしまい、肝心の決勝Tでブラジルと激突した際に、本来チームが持っていたポテンシャルを発揮しきれなかった側面もありそうだ。
森保監督がブラジル戦に送り込んだ先発11人を見渡すと、フィールドプレーヤーでは10番を背負う攻守のキーマンだったMF堂安律(Eフランクフルト)、攻撃面で違いを見せていたMF中村敬斗(スタッド・ランス)、“チームの心臓”として機能したMF鎌田大地(クリスタルパレス)が1次リーグから4試合連続先発だった。
ともに勝つために欠かせない選手だけに、決勝T1回戦で先発させたのは当然の判断だろう。一方で気になるのは、1次リーグ最終戦スウェーデン戦も、この3人を先発させたことだ。同戦を迎えるにあたって、F組首位突破の可能性があったため、指揮官は試合前、自力突破が確定する引き分けを視野に入れず「勝利を目指して戦うことをチームで共有して準備を進めてきた。1位通過したいと思っている」と必勝を誓っていた。
ただ、スウェーデンに勝ったとしても、同組のオランダが最終戦で敗退を確定させていたチュニジアと対戦することから、複数得点で勝つ確率が極めて高く、組2位となる公算大。そもそもこうした状況を想定して2チームつくっても遜色ない編成を進めてきただけに、思い切ったターンオーバーをしてもよかったのではないか。たとえ敗れて組3位に転落し、決勝T1回戦でフランスとの対戦になっても、ブラジル相手とそこまで違っていたのか。起用法によっては、キーマンたちはもっと良い状態で決戦に臨めていたはずだ。
実際、スウェーデン戦では1次リーグ1、2戦目でフル出場だったMF佐野海舟(マインツ)は休養を与えられ、ブラジル戦に満を持して先発。試合を迎えるにあたって「リフレッシュできた。自分ができる準備をしたい」と話し、大一番で自らのボール奪取からスーパーゴールを決めるなど休養の効果をプレーで証明した。
その一方で、攻守のかじ取り役を担ってきた鎌田はブラジル戦で右内転筋を痛めて後半33分にベンチへ退かざるを得なかった。本人は試合後に「もっとやりたかった」と無念さをあらわに。その後もプレーできていれば持ち前の統率力を発揮し、試合展開は変わっていたかもしれない。
また、左右のウイングバック(WB)でプレーした中村と堂安は守勢に回る時間増で疲弊した影響で、後半21分にともに交代。DF鈴木淳之介(コペンハーゲン)とDF菅原由勢(ブレーメン)が入った。だが攻撃の推進力を失ってしまう結果に。中村と堂安は大黒柱の働きぶりだっただけに、決勝Tへ向けて、もう少し2人の余力を残しておくことも可能だっただろう。
森保監督が1次リーグ3試合を通じて的確な采配を多く見せたのは事実だが、結果論では片づけられない課題が残ったのも事実だ。











