森保ジャパンは北中米W杯で「優勝」を掲げたが夢破れた。決勝トーナメント1回戦ブラジル戦(29日=日本時間30日、米国・ヒューストン)では1―2と無念の逆転負け。王国との激闘は歴史に残る一戦となったが、大一番の前にはFW塩貝健人(21=ボルフスブルク)によるブラジルに関する発言が舌禍騒動に発展。王国では塩貝に対し猛烈な批判が起き、FWマテウス・クーニャ(27=マンチェスター・ユナイテッド)はまさかの挑発行為に出た。史上最大の決戦で展開された異例の“場外戦”とは――。

 発端はブラジルとの対戦決定後、26日の取材対応だった。塩貝はブラジルについて「昔は強かったけど、今はどうなんですかね?」「フランスだけ強いイメージがある。あとアルゼンチン。ブラジルは最近あんまり聞かない」と言及。レジェンドのFWネイマール(サントス)に関しても「昔のネイマールじゃないですか。今は大丈夫だと思う。(日本の)センターバックにいい選手がそろっている」と語った。

 塩貝はあくまで素直な思いを語ったに過ぎないが、ブラジル側では“軽視発言”として大騒動に。同国メディア「veja」は「ブラジル代表に対する傲慢な態度」、「GZH」は「日本人ストライカー、ブラジル代表を軽視…」、「terra」も「ネイマールを過小評価」などと一斉に騒ぎ立てた。

 試合前日の公式会見で、ブラジルのカルロ・アンチェロッティ監督はこの件に「我々はマインドゲームに応じない」と努めて冷静に対応したが、選手たちは違った。

 主力の一角であるクーニャは勝利後、興奮を抑えきれない様子で胸を叩きながら塩貝へ近寄り「(自分たちは)5回W杯で優勝している! お前はちっぽけだ!」などと挑発した様子をブラジルメディアが一斉に報道。さらに自身のSNSで「これで、おれたちのことが少しはわかっただろう」「彼はブラジルについて、我々が受け入れられないような発言をした。これは、我々自身と我々のユニホームに対する敬意の問題だ」と痛烈な言葉を発した。

 激闘から一夜明けた30日(同1日)、塩貝は一連の騒動について激白した。

 ブラジルで大炎上しており、外国語で多くの誹謗中傷コメントが寄せられている。「僕のインスタを見ればわかります」と以前とは一変した状況に戸惑いを見せる。

 クーニャから投げかけられた内容は「何を言っていたかはわからない」とした上で、きっかけとなった自身の発言について「思ったことを正直に言っただけ」「あの発言を撤回しようとかはない」と言い切った。

「これだけ言われることはないと思う」というほどの批判をSNS上で受けていると吐露しつつも、「勝つか負けるかで変わっていた。そこは勝負の世界。悪いことをしたとは思っていない」「このままでは終われない」と4年後のW杯に向けて力強くリベンジを宣言する。

 その一方で、W杯という舞台が持つ影響力の大きさもあり「発言は最低限、気をつけないといけない。なるべく変な質問には答えないようにしたい」と本音もチラリ。王国との騒動を糧にして、日本を優勝に導くエースへと大化けを期待したいところだ。