【テキサス州ヒューストン29日(日本時間30日)発】ベスト32で散る――。日本代表は北中米W杯決勝トーナメント1回戦ブラジル戦に1―2で逆転負けを喫し大会から姿を消した。前半にMF佐野海舟(マインツ)のゴールで先制したが、後半に同点に追いつかれると終了間際に勝ち越された。優勝を目標に掲げながらの早期敗退に森保一監督(57)は謝罪の言葉を口にするとともに、歴史を前に進めることの難しを痛感した。
3大会連続で決勝トーナメントに進出した日本代表は、史上最多5回の優勝を誇る本気のサッカー王国を追い詰めた。前半29分、佐野がハーフライン付近でボールを奪取すると、自らドリブルで駆け上がり、ペナルティーエリア手前で右足を振り抜いてゴール左隅に決めてみせた。これがうれしい代表初ゴールとなった。
1点リードで迎えた後半。ギアを上げてきた相手に劣勢を強いられる。耐える時間の中で、後半11分にMFカゼミロ(マンチェスター・ユナイテッド)に同点ヘッドを許してしまった。すると後半分に両ウイングバックをチェンジして5バック気味に守る方針で延長、PK戦も視野に入れたものの、後半アディショナルタイムにFWガブリエル・マルティネッリ(アーセナル)の決勝点を決められ、森保ジャパンの挑戦は終わりを告げた。
昨年10月の親善試合で勝ったとはいえ、ガチンコ対決での勝負強さは王国が上手だった。目標とした優勝から程遠い結果に、敗戦直後の森保監督は「悔しいが、結果を受け入れたい。監督の力が足りなくてすみませんと伝えたい」と涙ながらに語った。
今回は32強止まりだったが、W杯で決勝トーナメント1回戦を計5度の挑戦で突破できないまま。大きな目標を掲げ、森保監督、選手たちも手応えを感じながら進めてきても現実は変えられなかった。指揮官は「一気に何かを変えたいところはあるが、歴史はそう簡単には動いてくれない」と遠くを見つめた。
2018年ロシアW杯決勝トーメント1回戦でも終盤の失点で敗戦。森保監督自身はドーハの悲劇を経験している。終盤の失点を防ぐ手だての確立も必要だが「チームとして疲弊して、ずっと押し込まれ続けて最後に押し切られた形ではなかった。受け身で押し込まれている展開ではあったが、選手たちは耐え切れる所はあった」。対策は進化はしている一方で、まだ完成途上のようだ。
怪我人が続出したのも痛かった。MF南野拓実(モナコ)、MF三笘薫(ブライトン)のメンバー入りがかなわず、MF遠藤航(リバプール)は初戦直前に離脱し、MF久保建英(レアル・ソシエダード)は初戦以降、試合に出られなかった。指揮官は「影響した所はあると思う。そこは事実」と認めるしかなかったが、現有戦力のベストメンバーをやりくりして1次リーグを突破し、ブラジルと接戦を展開した。
森保監督が2期8年でつくりあげたチームはここで終えんを迎えるのか。3期目の可能性もある中で「個人的には何もまだ決まっていない」と語るにとどめた。どの監督が就任しても、2030年W杯に向けてこの悔しさを糧にするしかない。












