アルゼンチン政府は、養育費を滞納している約1万3000人を含む計3万5000人の入場禁止対象者リストを米国当局に提供し、自国代表が米国で試合を行う際、ワールドカップのスタジアムに入場できないようにする措置を講じた。米紙ニューヨーク・ポストが27日、報じた。
アルゼンチン国家安全保障省のアレハンドラ・モンテオリバ大臣は6月11日、このリストを米国土安全保障省(DHS)、連邦捜査局(FBI)、さらに複数の国際機関へ送付したという。
モンテオリバ氏は「養育費の支払いを怠っている人は、今後スタジアムへの入場は認められません。義務を果たさなければ、スタジアムにも入れないのです」と説明した。
このリストは「トリブナ・セグーラ(安全なスタンド)」と呼ばれるデータベースに基づいている。同制度は2016年にブエノスアイレスで始まり、2018年に全国規模の制度として正式導入された。
このシステムでは、スタジアム入場口で国民身分証明書(DNI)を読み取り、警察に指名手配されている人物や、サッカー観戦を禁止されている人物を自動的に検出する。5月13日には、養育費の支払いを滞納している数千人の親が新たにこのデータベースへ追加された。
トリブナ・セグーラは、アルゼンチン国内では全国的に運用されているが、米国にはこれに相当する制度は存在しない。しかし、米国の法執行の専門家は、同様の制度を導入する価値があるとの見方を示している。
元ニューヨーク市警の刑事で、ジョン・ジェイ刑事司法大学の非常勤教授を務めるマイケル・アルカサル氏はニューヨーク・ポスト紙に「非常に有効なツールだと思います。スポーツイベントでは、人々は警戒心が薄れています。そのため、この方法を使えば、多くの犯罪者の所在を把握し、その場で身柄を拘束できる可能性があります。あとは米国の司法制度が、それを認めるかどうかです」と指摘した。
アルゼンチン政府によると、2023年から2025年にかけて、トリブナ・セグーラは1300試合以上で運用され、1100人を超える逮捕状が出ていた人物を特定したという。












