出版大手「KADOKAWA」の株主総会が24日に都内で開催され、夏野剛社長と角川歴彦前会長の〝直接対決〟が実現した。会社提案の夏野氏再任案は可決となり、〝物言う株主〟オアシス・マネジメントによる夏野氏解任を求める株主提案は否決。決め手はなんだったのか。

 東京・調布市にある角川大映スタジオで午後2時から株主総会はスタート。このスタジオは普段、映画やドラマ、CMなどが撮影されているが、この日は夏野氏が取締役として再任か解任かという出来事に注目が集まった。

 香港の投資ファンドで筆頭株主のオアシスが業績低迷を理由に夏野氏の取締役解任を提案。しかし、株主らの判断は夏野氏再任だった。

 株主総会には創業家の角川氏も株主として参加。総会後、角川氏は報道陣に「もうやめなさいよ、と。もう5年間やったんだから。オーナーじゃないんだよ」と、質問に立って夏野氏に身を引くよう迫ったと明かした。とはいえ、かつては角川氏も夏野氏の力量を買っていたことについては、「男は男を見る目がないんだよ」と嘆いた。

 ほかの株主はどうだったのか。総会に参加した株主によると、会場では「今のKADOKAWAが好き」「この5年間だけで結果を見るつもりはない」「(2024年の)サイバー攻撃のときにちゃんと指揮をして早急に会社を立て直した」と夏野氏へのポジティブな反応も多かったという。

 ある株主は「夏野氏に期待している。はい上がると信じたい」と話し、別の株主は「夏野氏には早くゴタゴタを解消していただき、メディアの発展に努めていただきたい」とエールを送った。

 擁護論があると同時に、夏野氏に代わる人材が見当たらないという事情もありそうだ。夏野氏に代わる人材について、角川氏は「それを軽々しく言ったところでね。僕は男を見誤っているからね。まあ、これから考えましょう」とコメントしていた。

 さらに、オアシスが事前に角川氏に協力を求めてきた際に、角川氏が夏野氏解任後について聞くも、オアシスから回答はなかったともいう。後任候補不在では株主たちが解任案に乗ることは難しかったのかもしれない。