ア・リーグ東地区の勢力図に、青い不気味な影が差し始めた。ブルージェイズは22日(日本時間23日)、本拠地ロジャーズ・センターでアストロズに4―2で競り勝ち、39勝39敗。直近6試合で5勝を挙げ、5月29日(同30日)以来となる勝率5割復帰を果たした。
米有力紙「ニューヨークタイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は「首位ヤンキース、2位レイズの『2強』と見られてきたア・リーグ東地区でトロントが再び存在感を強めている」と評している。首位ヤンキースとは7・5ゲーム差。独走を許した数字ではあるが、まだシーズンは半分以上を残す。ワイルドカード争いでも現時点で3枠目に入り、十分にポストシーズン進出の可能性がある。白旗を掲げるような状況ではない。昨季、ワールドシリーズまで突き進んだ〝台風の目〟が、息を吹き返しつつある。
その象徴が岡本和真内野手(29)だ。この日は1点を追う2回、アストロズ先発のブラウンから左越えへ同点の17号ソロ。二塁打も放って、3打数2安打1打点1四球で勝利を呼び込んだ。今季は打率2割3分4厘と波はあるが、17本塁打、46打点はいずれもチームトップ。MLB1年目から「長打で空気を変える男」として、確かな爪痕を残している。
試合は終盤までもつれた。2―2の7回にストローが勝ち越し犠飛を放ち、8回にもカークの犠飛で加点。先発のシースは5回2/3を2失点、救援陣も踏ん張った。シュナイダー監督は「戻ってこられてうれしい」としつつ、全カード勝ち越しを目標に掲げた。
もちろん課題は消えていない。得点圏打率はリーグ下位に沈み、この日も得点圏で9打数1安打、13残塁。ゲレロ、スプリンガーら主力にも本来の爆発力は戻り切っていない。それでもケガ人が戻り始め、先発の軸となる右腕ビーバーも復帰予定。8月3日(同4日)のトレード期限までにフロントへ「買い手」として動く根拠を示せるかが焦点となる。
ヤンキースとレイズだけの争いと思われた東地区に、ブルージェイズが割って入れば、ア・リーグの構図は一気にきな臭くなる。岡本の一発は単なる同点弾ではない。沈みかけた昨季リーグ王者を再点火させる「反攻の号砲」になり得る。












