復調気配の裏側にこそ、名将の目は厳しく注がれていた。ドジャースのカイル・タッカー外野手(29)に、さらなる上昇への「宿題」が突きつけられた。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は1日(日本時間2日)、デーブ・ロバーツ監督(54)がタッカーについて、今後本格的に状態を上げていく上での懸念材料に言及したと伝えた。
タッカーはここにきて「地味」ながらも復調傾向を示し、強力打線の中で存在感を取り戻しつつある。ただし、指揮官が見ているのは表面上の結果だけではない。昨季のタッカーはボール球への空振り率が17・6%でメジャー全体の98パーセンタイル、空振り率も20・2%で76パーセンタイルと、選球眼とコンタクト能力を高水準で両立していた。ところが今季はストライクゾーン外の球を追いかける割合が24・1%、空振り率が22・8%に上昇。三振率も4%以上悪化し、85パーセンタイルから66パーセンタイルへ後退したという。
もちろん、これはタッカーが不振に沈んでいるという単純な話ではない。むしろ、復調の兆しが見えてきた今だからこそ、ロバーツ監督は細部のズレを見逃さなかった。甘い球を仕留める力は健在でも、ボール球に手を出す割合が増えれば、相手バッテリーはそこを徹底して突いてくる。ポストシーズンを見据える王者ドジャースにとって、タッカーがもう一段上の状態へ入るには、この「小さな危険信号」の修正が欠かせない。
チームは同日の敵地フェニックスでのダイヤモンドバックス戦に1―4で敗れた。それでも地区首位の座は2位パドレスに5ゲーム差をつけており、依然として独走状態。3回に大谷翔平投手(31)が生還して奪った1点にとどまり、終盤に3本塁打を浴びて押し切られた。救援陣ではグラテロルが背中の再手術を受け、今季中の復帰が厳しくなったことも伝えられており、投打の厚みを保つ意味でも主軸の上積みは重要度を増している。
だからこそロバーツ監督の指摘はブレーキではなく、加速のための注文と見るべきだ。タッカーが選球眼とコンタクトの精度を取り戻せば、ドジャース打線は大谷らとともにさらに手が付けられない形へ近づく。復調傾向の先にある本格覚醒へ、名将の厳しい視線が背中を押している。












