荒療治ではない。あえて使い続ける――。そこに日本ハム・新庄剛志監督(54)の狙いがある。失策が続く清宮幸太郎内野手(26)に対し、指揮官は起用法で奮起を促している。
今季からチームの選手会長に就任した主軸は、開幕から打撃好調を維持している。シーズン初戦から9試合連続安打を記録し、ここまで16試合で5本塁打を放つなど、例年以上の状態の良さを示している。一方で気がかりなのが一塁守備だ。3月31日の本拠地開幕戦(ロッテ戦)で失策を記録して以降、エラーが続発。31日のロッテ戦(ZOZOマリン)でも7回に平凡な一ゴロをファンブルするなど、今季ここまでリーグワーストの6失策と精彩を欠いている。
この主軸の〝守乱〟に、新庄監督もさすがに厳しい姿勢を見せた。14日の試合では途中交代を決断。試合後には「守備イップスだから。代えとこうと思って」と語り、9回表の守備から清宮幸に代えて捕手の清水を一塁へ送った。
ただ、厳しさを見せた一方で翌15日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、清宮幸を何事もなかったかのように「2番・一塁」で先発起用。守備を重視する指揮官であれば、イップス気味の選手を外す選択肢もあったはずだ。それでも起用を続ける背景には、新庄流の〝清宮操縦術〟がある。
指揮官は日頃から、清宮幸が結果を出した時でさえ辛らつな言葉を投げかけることがある。そこには、本人をさらに発奮させたいという狙いがある。温厚な性格の主軸には、叱咤激励が最も効果的だと見ているからだ。その一方で、本人が落ち込んでいる時にはあえて積極的に起用し、実戦で結果を出させることでミスを振り払わせようとする。新庄監督もかつて「まあ、ミスをすれば打ってくれる子だからね。いつも厳しい言葉ばかり? いやいや、それは選手(の性格)によるから。彼はそういうふうにした方が良いということ」と話していた。この思いがあるからこそ、ミスを必要以上に責めず、試合で使い続けながら成長を促しているのだろう。
15日のロッテ戦(ZOZOマリン)で清宮幸は、その期待に応えられず4打数無安打。チームも乱打戦の末に7―9で敗れた。ただ試合開始直後から大粒の雨が降り続く難しいコンディションの中でも、一塁守備は無難にこなした。
まだ予断を許さない守備状態ではある。それでも指揮官は、打撃だけでなく守備面も含めた成長を見据えている。清宮幸が試練を乗り越えた先に、真の主軸としての姿が映し出されるはずだ。













