ロシアフィギュアスケート界の壮絶な減量の実態が明らかになった。

 ロシアメディア「ソブスポーツ」は「フィギュアスケート史上、最も恐ろしいダイエット5選」と題して特集。「アリーナ・ザギトワを始めとする一流アスリートたちが、どのようにして減量に成功したのか」とその過酷すぎる裏側に迫った。

 まず1人目に挙げられたのはアイスダンスロシア女王のエリザベータ・フダイベルディエワ。「過食症と摂食障害の地獄」と指摘し「摂食障害という真の地獄を経験し、そのことを打ち明ける決意をしたのはずっと後のことだった。彼女は問題が始まったのは10代の頃で、当時家族は事態の深刻さをすぐには理解していなかったと認めている。事態は危機的な状況に陥り、けいれんや発作、そして医師の診察が競技における日常の一部となってしまった」と伝えた。

ユリア・リプニツカヤ(ロイター)
ユリア・リプニツカヤ(ロイター)

 2人目は2014年ソチ五輪団体金メダルのユリア・リプニツカヤ。「粉末食と拒食症」と同メディアは指摘してこう続ける。「彼女の幼い体質ゆえに払った代償を知る者はほとんどいなかった。オリンピックシーズン中、彼女の食生活は極めて質素で、同僚の間でも疑問視されるほどだった。後に母親は、ユリアが栄養補助食品(ニュートラシューティカル)と食物繊維だけで生活していたことを認めた」と衝撃の実態を指摘。「成長期にあった彼女の体は、過酷なコントロールに耐えられなかった。ソチでの勝利後、彼女の状態は悪化し、拒食症の治療を受けた。才能に見合わないほど早く競技から引退した」と凄絶な減量で選手寿命が短命に終わったと分析した。

 3人目は18年平昌五輪女子金メダルのアリーナ・ザギトワ。「水は敵である」とその減量法を表現した。「ザギトワはエテリ・トゥトベリーゼの指導するグループの中でも、おそらく最も厳しいトレーニングを積んだ選手だった。主要大会に向けた準備期間中、アリーナはカロリーだけでなく水分摂取量も厳しく制限した」と水分摂取に神経をとがらせていたと指摘。大目標の五輪に向けては過剰なほどの状態になり「オリンピックでは、体重計に余分なグラム数を加えないよう、水を飲む際も口をすすいで吐き出すなど、極めて慎重に行動したと彼女は語っている」と伝えた。

 4人目は同じくトゥトベリーゼ門下生の18年平昌五輪女子銀メダルのエフゲニア・メドベージェワだ。「全盛期のメドベージェワは、まさに一貫性の象徴だった。この一貫性は鉄の意志によって維持されていた。彼女は何年もの間〝夕食抜き〟の原則に従って生活していた。朝食を主食とし、昼食は極めて軽く、夜は空腹のままトレーニングに専念していたのだ。体重管理が非常に厳しかったため、スケーターたちは時には裸で体重を測っていたことを回想している」

アレクサンドラ・トルソワ(ロイター)
アレクサンドラ・トルソワ(ロイター)

 そして最後に22年北京五輪女子銀メダルのアレクサンドラ・トルソワ。「食事は極めて機能的で、鶏肉、魚、カッテージチーズなどの良質なタンパク質を重視していた。競技期間中、彼女の食事から脂肪分や速効性炭水化物はほとんど排除されていた」と紹介した。

 トルソワは現代的な食事制限である一方、リプニツカヤやザギトワは生命の危険も伴うような壮絶な減量だったことがうかがえる。