世界中から観光客が日本を訪れますが「富士山を見たい」という人がたくさん。でも、Tシャツにサンダルなど登山にふさわしくない軽装で登ったり、高山病を考えない弾丸登山など、問題ケースもあるようです。

 富士山を眺める場合は、新幹線やJR東海道線、あるいは東名高速道路や中央自動車道の車中からになるでしょう。

 静岡県側から見るのが表富士で、山梨県側から見るのが裏富士とされていますが、この表現は江戸時代頃からのもので、有名な葛飾北斎の「富嶽百景」にも裏富士という表現が使われています。

 では、地図上で見た時、富士山の占める面積は、静岡県と山梨県では、どちらが大きいのでしょうか。

 実は、富士山の8合目から上では県境が決まっていないそうです。となると、両県民は山頂の帰属について自己主張します。

 静岡県民としては、こんな理由があるそうです。

①山頂の郵便局は静岡の富士宮郵便局である

②山頂にある電話の市外局番は富士宮市の市外局番である

③海から富士山を眺められるのは静岡県だ

 山梨県民としては、次のような論理を展開します。

①富士五湖はすべて山梨県にある

②山梨県は盆地が多く、どこからでも富士山が見える

③甲府盆地の夜景と富士山のコラボレーションが素晴らしい

 なるほどと納得できそうな理由や、奇妙な理由まで、両県が意外な主張を繰り広げているわけですが、なかなか楽しいですね。 

 ◆平川陽一 早稲田大学卒。主に歴史ミステリーの分野で活躍。著書に「世界遺産・封印されたミステリー」「戦争で読む日本の歴史地図」「日本列島 名城の謎」などがある。