2年ぶりのリーグ優勝、そして14年ぶりの日本一奪還を狙う巨人で、開幕を前に存在感を急上昇させているのが来日2年目のトレイ・キャベッジ外野手(28)だ。阿部慎之助監督(47)が今季のキーマンの一人として大きな期待を寄せる助っ人は、いよいよ「開幕1番」の座まで現実味を帯びてきた。
25日に東京ドームで行われた全体練習では、その好調ぶりを改めて強烈に印象づけた。フリー打撃で柵越えを連発。右中間スタンド後方の電光掲示板に打球を直撃させたかと思えば、直後にはそのさらに上にある照明付近まで運び、周囲をどよめかせた。持ち前の長打力を見せつける内容で、開幕へ向けた状態の良さを存分にアピールした。
オープン戦でも結果は出ている。ここまで14試合に出場して打率2割6分8厘、41打数11安打、1本塁打。数字自体も悪くないが、それ以上に目を引くのは打席での迫力だ。開幕を見据えたオーダーで臨んだ21日の楽天とのオープン戦(東京ドーム)では、2試合連続で「1番・左翼」で先発出場し、初回にいきなり先頭打者アーチ。試合の入りから一発で流れを引き寄せる理想的な形を示した。
阿部監督も、その破壊力には手応えを口にしている。「あれがあるのでね、相手にプレッシャーをかけられるんじゃないかと言ったので。シーズンでもたぶん1番で使うと思います」と明言。まだ最終決定ではないにせよ、首脳陣がキャベッジの打棒をリードオフマンとして本格的に計算し始めているのは間違いない。
チーム内でも「開幕1番」起用を推す声は早くから上がっていた。あるチーム関係者は「先頭からあれだけ豪快に振れて、しかも長打で試合の空気を変えられるのがキャベッジの強み」と評価する。一般的な1番打者像にとどまらず、初回から相手投手に重圧をかけ、一振りで主導権を奪えるタイプ。阿部巨人が求める攻撃的な野球の象徴になり得る存在だ。
先頭打者本塁打のNPB記録は、球団OBで元監督の高橋由伸氏(50)が2007年にマークした9本。簡単に届く数字ではないが、関係者の間では「昨年の本塁打数を考えても、この調子を維持できれば2桁に届く可能性はある」と期待の声も出ている。
開幕カードの相手は、前回リーグ優勝を果たした阪神。宿敵との初戦で、背番号13が初回から東京ドームの空気を一変させるのか。巨人の新シーズンは、キャベッジの一振りとともに幕を開ける可能性が高まっている。












