ドジャース・大谷翔平投手(31)が、開幕前最後のマウンドで改めて規格外の存在感を示した。24日(日本時間25日)の本拠地エンゼルス戦に「1番・投手兼DH」で先発出場し、2回から4回にかけては打者9人を連続三振で仕留める圧巻の離れ業。4回0/3を投げて86球、3失点という最終結果だけでは測れない衝撃を残し、地元紙「カリフォルニア・ポスト」は早くも初のサイ・ヤング賞獲得の可能性にまで踏み込んだ。

 実際、この日の内容は強烈だった。エンゼルスの開幕予想スタメンを相手に、5回途中まで1安打11奪三振。相手打線を力で押し込み、球場の空気を一変させた。一方で、首脳陣にとっては課題もはっきりした。本来は6回まで投げさせる青写真を描いていたが、三振を量産したことで球数が増加。さらに5回先頭から3連打を浴びて降板し、長いイニングをどう効率よく投げ切るかというテーマも浮かび上がった。

 それでも、デーブ・ロバーツ監督(51)の見立ては極めて強気だ。試合後には「彼は準備ができている。集中力があり、投球の精度も備わっていた」と評価。その上で、今季の大谷がサイ・ヤング賞候補になる可能性についても「もちろんだ。才能も能力も意志もある」と言い切った。23年9月の右肘手術から約2年半を経て、二刀流が本格解禁されるシーズン。慎重運用は続くにせよ、投手・大谷が年間を通して回れば、球界最高の先発投手の称号まで視野に入るというわけだ。

 チームはこの日の敗戦にもかかわらず、20勝9敗2分けでカクタス・リーグ首位を確定。アリゾナ州を拠点とした春季キャンプのオープン戦で「春の王者」となった。ただ、ロバーツ監督は「全く気にしていない。ワールドシリーズ制覇につながるなら別だけどね」と軽く受け流した。指揮官の視線は、あくまでその先にある。その頂点を狙うドジャースにとって、大谷の完全復活は最大の追い風であり、同時に球界全体への「宣戦布告」にもなりそうだ。