イランの新しい最高指導者に選出されたモジタバ・ハメネイ師(56)が12日、選出後初めて声明を発表した。

 モジタバ師は、2月28日に米国とイスラエルの攻撃で殺害された最高指導者ハメネイ師の次男。今月9日、イスラム聖職者でつくる「専門家会議」によって選出された。

 モジタバ師は、米国とイスラエルを念頭に、殺害された者の「あだを討つ」と明言。そして「近隣諸国にある米国の基地を攻撃する」と主張し、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖する考えを示した。多数の小学生が亡くなった攻撃に対しても「必ず報復する」と強調した。

 不気味なのは「敵が経験したことがない、新たな戦線を開くことを検討している」と話したことだ。それは米本土の可能性もある。

 実はイラン戦争前から、FBIがカリフォルニア州の警察当局に対し、イランが報復として西海岸をドローンで攻撃する可能性を警告していたという。米紙ニューヨーク・ポストが12日、報じた。

 FBIは2026年2月初旬の時点で、米国による対イラン攻撃が行われた場合に備え、イランが米国本土沖の正体不明の船舶からドローンを用いた奇襲攻撃を画策していたとの情報を入手したという。標的はカリフォルニア州内の未特定の施設とされているが、それ以上の具体的な時期、標的、実行者などは分かっていない。

 トランプ米大統領は「その件は調査中だ。しかし多くの出来事が同時に起きており、われわれにできるのは、起きる事態に一つひとつ対応していくことだ」とコメント。

 イランの使い捨て型の攻撃ドローン「シャヘド136」はピックアップトラックの荷台から発射することも可能なサイズの上、航続距離約2000キロとみられているだけに、米海岸沖合の船舶からの奇襲攻撃はあり得ない話ではないだろう。

 スリーパーセルも脅威だ。スリーパーセルとは、テロ攻撃を実行する必要がある時まで一般市民に紛れ込んで各国に潜伏している工作員のこと。

 米国事情通は「最近、イラン発とみられる暗号化通信が、国外にいるスリーパーセルに対する〝作戦開始の引き金〟として機能する可能性があるとみて、連邦政府がFBIや警察などの法執行機関に警告を送ったのです」と語る。

 イラン情勢は混とんとするばかりだ。