高市早苗首相の名を冠した暗号資産「SANAE TOKEN」(サナエトークン)を巡る騒動で、プロジェクトを推し進めた「NoBorder」の溝口勇児CEOが9日、YouTube番組に出演し、高市首相や京大大学院の藤井聡教授らにおわびした。全面謝罪で騒動はどうなるのか。

 騒動後、Xなどで説明していた溝口氏はこの日、事前収録ながらも番組に出演し、「国会や外交日程で多忙な高市総理や政府、特に財務とか金融当局を巻き込む多大なご迷惑と混乱を招いたことに本当に深くおわび申し上げたい」と謝罪。プロジェクトの提唱者で〝黒幕〟扱いされている藤井氏についても説明が不十分だったとして、「本当にご迷惑というか、いろんな混乱を招いてしまったことを本当に申し訳ないと思っている」とおわびした。

 溝口氏はトークンについて「実は高市さんサイドとコミュニケーションを取っていて」と発言し、高市首相側が自身や事務所の関与を否定したことで騒動となった。溝口氏は高市首相側とのやりとりはあったとしながらも「正式な契約書を締結したわけではない」「総理本人の公認と誤解されるような表現と捉えられても仕方がない」と弁明することはなかった。

 今回の件で、資金決済法や詐欺、金融商品取引法など、さまざまな法律に抵触する恐れがあるとされ、専門家によって、見解は異なる。一部で逮捕との見方が出ていることに溝口氏は「逮捕うんぬんは全く耳にしていない。大手弁護士事務所とコミュニケーションさせていただいたが、事実として、総理ないし関係当局の忙しいタイミングでご迷惑をおかけしたことを受け止めないといけない」と話し、補償やプロジェクト中止など誠意ある対応に努めることを強調した。

 金融庁は実態把握に乗り出すとしているが、現時点で被害者が限定されており、無登録営業での警告処分で幕引きではないかとの見方も出ている。一方、金融庁の調査が入った場合でも結果が出るまで数か月単位の時間を要し騒動は長期化するという声もあり、見解が割れている。