ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子はアリサ・リュウ(米国)が金メダル、坂本花織(シスメックス)が銀メダル、中井亜美(TOKIOインカラミ)が銅メダルという結果に終わったが、6位のアデリア・ペトロシャン(ロシアから中立選手として参加)の採点を巡って世界に波紋が広がっている。
ペトロシャンはフリーで大技4回転トーループに挑んだが、無念の転倒。そのため、その後に予定していた4回転トーループを回避するなど凡庸な構成で終わった。演技を終えると、こわばった表情で戻ってきた姿が失敗を物語っていた。
それでも、自己ベストとなる141・64点をマーク。場内からはどよめきが起きた。そして、さらなる驚きをもたらしたのが、その後に公開された採点表だ。米誌「フォーブス」は「オリンピックのフィギュアスケートの表彰台をひっくり返そうとした審査員の行動」と報道。他の欧米各国メディアも〝疑惑の採点〟があったと追及した。
問題の詳細について同誌はこう説明する。「ペトロシャンはオリンピックチャンピオンを目指す選手なら誰もが避けたいと願うであろう転倒も犯した。しかし、世界中の人々(そして審査員団)がミスだと見なした一方で、ある審査員は金メダリストだと見なした」と指摘。
「最終的にリュウが金メダル、坂本と中井が僅差で2、3位に入った。しかし、カザフスタンのナデジュダ・パレツカヤ審判は、明らかに異なるジャッジを下した。9人の審判による詳細な採点結果は、カザフスタンの審判による重大な採点の食い違いを明らかにした」とカザフ審判に重大な疑惑が持ち上がっていると切り込んだ。
すでに海外を中心にSNS上では、採点表の検証が数多く行われ、パレツカヤ氏による採点の〝異常さ〟が大きな議論を呼んでいる。
「パレツカヤのデータは大きく歪んでいる」と糾弾する同誌は、説明がつかないほど偏っている採点をこう詳説する。「データは厳しい現実を突きつけている。パレツカヤはペトロシャンに金メダルを授与しただけでなく、平均点と比べてその得点を水増しした。ペトロシャンの得点を過大評価し、アメリカと日本のトップ選手の得点を著しく過小評価していた」との見解を示す。そしてパレツカヤ氏が与えた上位の合計点データ(カッコ内は平均値との解離)を掲載した。
1位アデリア・ペトロシャン223・27点(プラス8・74)
2位中井亜美221・11点(マイナス1・95)
3位坂本花織220・11点(マイナス4・79)
4位アリサ・リュウ218・25点(マイナス8・54)
5位千葉百音215・89点(マイナス1・99)
つまりパレツカヤ氏の評価では、金メダルはペトロシャンでリュウはメダルを逃すというものだったのだ。同誌はさらに「アナスタシア・グバノワ(ジョージア)、ソフィア・サモデルキナ(カザフスタン)のスコアも押し上げたようだ」と指摘。疑惑の採点の裏に「パレツカヤはカザフスタンの元選手でロシア人コーチに指導を受け、ソ連で生まれた。パレツカヤの行動は、旧ソ連の政治家による長年にわたる親ロシア的な審査を思い起こさせるものだ」と分析した。疑惑の採点は物議を醸しそうだ。











