衆院選を受けた特別国会が18日召集され、高市早苗首相が第105代首相に選出された。衆院議長の人事を巡って、高市首相は麻生太郎副総裁に一度は打診したが、固辞されたと一部で報道された。「首相経験者に失礼」「封じ込め」との見方があるが、麻生氏はまんざらでもなかった!?

〝高市旋風〟は首相指名選挙での結果で改めて如実に示された。衆院で高市氏が354票、中道の小川淳也代表が50票、国民民主党の玉木雄一郎代表が28票、参政党の神谷宗幣代表が15票、チームみらいの安野貴博党首が11票、共産党の田村智子委員長が4票、れいわ新選組の奥田芙美代共同代表が1票、減税日本・ゆうこく連合の河村たかし共同代表が1票。全野党が結集してもトリプルスコアをつけられる巨大与党ぶりだ。

 万全とみられる高市政権だが、衆院議長の人事でこの日、高市首相と麻生副総裁の間でひと悶着あったのではないかとの報道があった。額賀福志郎前衆院議長の後任人事で、高市首相は衆院選翌日、麻生氏に打診したものの固辞されたというのだ。高市首相は麻生氏に電撃解散を事前に伝えなかったことで、恥をかかせたといわれ、2人の間には微妙な空気が流れていたという。高市首相は議長ポストを用意することで埋め合わせをしたい魂胆があったかもしれないが、火に油を注いだのではないかというのだ。

「衆院議長は重いポストですが、上がりのポジションでもあります。首相の後見役ともいえる麻生氏を議長に据えることは政権運営に介入しないでくれというサインにもなる。中道の泉健太氏も51歳ながら副議長の候補に挙がったことで反発した」(与党関係者)

 結局、衆院議長には麻生氏の側近で、麻生派の事務総長を長く務める森英介元法相が就任した。

衆議院議長に選出された森英介元法相
衆議院議長に選出された森英介元法相

 一方で、麻生氏は議長打診で色気はあったのではないかとの見方もある。この日、議員総会で高市首相と麻生氏は笑顔で談笑し、とてもすきま風が吹いたとは思えないほどの親密ぶりを見せた。

「衆院議長を務めた伊吹文明氏が安倍政権で文科相を打診され、『三権の長の経験者が首相に仕える閣僚になるわけにはいかない』と断ったことがあるが、麻生氏は首相退任後に安倍政権で財務相を戦後最長となる約8年務めており、前例にこだわらないタイプ。首相経験者が衆院議長となった例は現行憲法下ではなく、そこまで気を悪くしたわけではないのでは」(永田町関係者)

 フタを開けてみればナンバー3ポストとなる衆院議院運営委員長に山口俊一氏が起用され、森衆院議長、鈴木俊一幹事長と主要ポストは麻生派が総ナメした。麻生氏がご満悦なことは間違いない。