米国・WWEの〝フェノメナール〟AJスタイルズ(48)がPLE「ロイヤルランブル」(31日=日本時間1日、サウジアラビア・リヤド)で〝皇帝〟グンター(38)に絞め落とされ、現役を引退した。

 昨年9月のインタビューで「来年中に引退することは間違いない」と電撃表明。2026年中のリタイアを公言していた。1月12日の一騎打ちでは〝疑惑の判定〟によって逆転負け。怒りのAJはグンターに再戦を挑むも、皇帝は「キャリアをかけろ」と負けたら即引退することを条件に課した。AJもこの要求に応じて引退をかけることになった。

 リヤドの観衆から熱狂的な声援を浴びたAJは序盤から猛攻を見せて、カーフクラッシャーで皇帝を攻め立てる。グンターのスリーパーを逃れると、場外に落ちた皇帝にフェノメナール・フォアアームを叩き込んだ。パワーボムから450°スプラッシュにスタイルズクラッシュを見舞うが、3カウントを奪えない。

AJスタイルズ(手前)はグンターのスリーパーホールドで絞め落とされた©WWE
AJスタイルズ(手前)はグンターのスリーパーホールドで絞め落とされた©WWE

 グンターは昨年7月にゴールドバーグ、12月にはジョン・シナの引退試合の相手を務め、いずれもスリーパーで引導を渡している。現役最強の一人と目される〝キャリアキラー〟はすさまじく強い。AJのおきて破りのスリーパーを卑劣な急所蹴りで切り返すと、問答無用のパワーボム。ここはAJが何とかカウント2で返したが、皇帝のチョップ連打と顔面蹴り、ラリアートを浴びてダウンしてしまう。

 それでもAJは決死のパンチとキックを見舞って反撃。とどめのフェノメナール弾を狙うも、皇帝にキャッチされ、またもスリーパー地獄に引きずり込まれる。エルボーを挟んで胴締めスリーパーで捕獲されロープにたどり着けない。諦めず粘りに粘るが、最後は無念の失神。レフェリーが試合を止めて、AJの現役生活に終止符が打たれた。

 会場には頭を抱える観衆が続出。悔しさいっぱいのAJは両手のグローブを外したが、はめ直して得意のポーズを決めてファンに別れを告げた。一度はリングを下りたが、再び戻ってコーナーに上がって、観衆の拍手に応えてみせた。

 1998年にデビューし、米TNA、新日本プロレス、WWEと世界中のリングで活躍。新日本ではIWGPヘビー級王座、WWEではWWE王座と最高峰ベルトも巻いた。1月21日の「サタデーナイツ・メインイベント」では長年のライバル中邑真輔と最後の一騎打ちを戦い、名勝負を繰り広げたばかりだった。

 引退後のAJはどうなるのか。大会後のポストショーでCCO(最高コンテンツ責任者)のトリプルHは、すでにAJと話し合いを持っているとした上で「私は彼が貢献してくれることを期待している。彼はこの業界で最も影響力があり、最も優れた頭脳を持つ一人だから。ショーン・マイケルズがNXTでやっていることをみれば、それがAJのキャリアの道だとわかる」とコメント。NXT責任者のマイケルズのように、次世代のスター育成に関わることを期待していた。

 この日の「WWEロイヤルランブル2026」は、「ABEMA PPV」で生中継された。