阪神・佐藤輝明内野手(26)はキャンプインを目前に控えた1月末になっても、今季の契約更改交渉が難航しサインができぬまま。27日に球団施設へ姿を現し「(交渉は)進んでいますよ。もめているとかではない。しっかり話し合いをしている段階です」と笑顔で語ったが、ファンを含めた周囲のヤキモキは日に日に膨らみ続けている。
佐藤輝は代理人を通して、ポスティングシステムを利用した早期米球界挑戦を阪神サイドに要求しているとみられるが、球団としても1986年のランディ・バース以来となる本塁打王に輝いた「40年に一人の逸材」をそう簡単に手放すわけにはいかない。平行線状態の交渉が今後、どのような形で決着するかは依然として予断を許さない。
長く米球界挑戦選手とは縁の薄かった阪神だが、2022年オフにアスレチックスへ移籍したのは現・DeNA所属の藤浪晋太郎投手だ。球団としては06年オフの井川慶(阪神→ヤンキース)以来となる16年ぶりのポスティングシステム容認だった。
猛虎時代のドラフト同期にもあたるOB・北條史也氏のユーチューブチャンネルに出演した藤浪は「メジャーに対する憧れの気持ちが本気になっていき、球団に『頑張って行ってみたいと思います。ポスティングを許可してもらえますか?』とお願いしたら『うーん。まあまあ。話は持ち帰ります』となってからOKをもらえた」と当時の舞台裏を振り返る。
さらに藤浪は米球界挑戦正式表明の1年前にあたる「21年のオフには(ポスティング容認の)OKをもらっていました」と明かす。「22年終わりでアメリカ挑戦を応援しますと言ってもらえたので、『22年は覚悟を持ってやろう』と。後半は(成績が)ちょっと良かったので何とかMLBに獲ってくれる球団が出てきた」と説明した。
当時の阪神の編成担当者は、高卒で入団した藤浪が、10年間阪神に在籍してプレーしたキャリアと実績を評価し、ポスティングを容認したと説明。だが球団の権利であるポスティング容認の可否判断は、その時その時のチーム状況によって大きく左右されるため、一概に「このラインを満たせばOK」といった基準があるわけではない。
球団にとっても虎党にとっても、佐藤輝は長らく登場を待ちわびた生え抜きのスター長距離砲であり、まさに宝物のような存在。選手本人、球団、ファンの全てが納得した形での決着はあるのか――。













